辛口宗教批評



「キリスト教」
■キリスト教は愛の宗教か?
 人類の歴史を宗教の側から見ると、キリスト教の布教拡大の歴史と言えるかも知れない。中東で生まれたキリスト教は、瞬く間に世界に広がった。特に大航海時代以降、宣教師が先住民に布教し、その後軍隊を派遣し、領土を奪った。植民地獲得にキリスト教が利用され、先住民が容赦なく虐殺された。キリスト教の教義だけではなく、植民地支配の歴史を学ぶ必要がある。
 映画「アレキサンドリア」(2009、スペイン)は、異教徒や科学者を弾圧するキリスト教の排他性・残虐性を描いている。

■なぜ偶像崇拝は禁止か?
 旧約聖書では、神は預言者モーセに「十戒」を授け、偶像崇拝を禁じた。それで、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教は偶像禁止だ。
 もともと多神教が一般的だったが、ユダヤ教という一神教が生まれた。何故か。それは、いろいろな部族を結束させ、敵(他部族)と戦う必要があったからだ。部族固有の神は捨てなければならない。

 しかし、ユダヤ教が制度疲労を起こすと、イエスがそれを改革しキリスト教を生んだ。キリスト教が制度疲労を起こすと、ルターが出て、プロテスタントが生まれた。プロテスタントが制度疲労を起こすと、マルクスが出て共産主義を生んだ。共産主義が制度疲労を起こすと、どうなるか。
 宇宙人が現れないかぎり、地球人は結束しないかも知れない。

「イスラム教」
■イスラム教徒と一緒に暮らせるか?
 ヨーロッパで移民排斥運動がおきている。「多文化共生」は頭では理解できるが、現実にイスラム教徒と一緒に暮らせるだろうか。
 一番ネックになるのが、食事だ。例えば、彼等は豚肉を食べない。現在、食肉の約半分は豚肉だという。調理しやすく、料理のメニューも多い。2000年前なら、豚肉の保存は難しかっただろうが、現在は冷蔵庫がある。

 むしろ、問題は古来の「戒律」をそのまま実行している点にある。文明の進歩も関係ない。「神の言葉」は絶対なのだ。さらに調味料の成分まで、文句を付けられてはたまらない。日本人には理解不能。これは、ユダヤ教にも当てはまる。世界に紛争の種をまいているようなものだ。
「ハラールフード」は、イスラム教で許された食品。
「コーシャ(コシェル、カシェル、カシュルート)フード」は、ユダヤ教徒が食べてよい食品。

「ヒンズー教」
■カーストは何故なくならないのか?
 世界の宗教で、一番日本人の宗教観に合っていると思うのが、ヒンズー教だ。多神教、輪廻転生(生れ変わり)、ベジタリアンという特徴は、日本人にも理解できる。
 問題は、カースト制だ。違うカーストとは食事ができないし、結婚もできない。上位のカーストの人は「必要だ」と答えるだろうし、下位のカーストやアウトカーストの人は「必要ない」と言うだろう。結婚のトラブルで起こる殺人事件を新聞で見たりする。残酷極まりない。

 カースト制が他国で受け入れられないため、ヒンズー教はインド以外ではあまり信仰されていない。外国人には、ヒンズー教の祭りや風習は太古の人類を見るようで興味津々だ。しかし、その中で生活する者はたまったものではない。
 カースト制から抜け出すために、イスラム教に改宗する人やIT関係の職業に就く人が増えているらしい。

「仏教」
■世界を「否定」して生きていけるか?
 仏教には、小乗(上座部)仏教と大乗仏教がある。タイの僧侶(上座部仏教)の生活をテレビで見ると、仏教の理想的な生活をしているように見える。それに反し、日本の僧侶は、戒律は守らないし、基本的な仏教的知識があるか疑わしい。ただ、葬儀や法事(先祖供養)に追われているだけである。
 しかし、上座部仏教では、出家者しか解脱できない。大乗仏教は、一般民衆をも救済する。

 そもそも仏教の根本的な問題は、「世界を否定して生きていけるか」という点だ。「生きることは苦である」「永遠不滅の物は存在しない」「すべては空である」というのが、基本的な仏教の教えだが、それで人間は生きていけるだろうか。日本で有名な「般若心経」は、「否定」のオンパレードだ。
 スポーツ選手は「絶対に勝つ」と肯定的なイメージトレーニングをする。「今度は失敗する」とは考えない。そうでないと、試合前から既に負けていることになる。
 それと同様に、人間は何かを肯定しなければ、生きていけないのではないか。

「儒教」
■韓国の政治的混乱は、儒教が原因か?
 儒教は簡単に言うと、上下関係を重視すること。世界で一番儒教の影響を受けているのが「韓国」だ。李氏朝鮮時代(1392〜1910)に、儒教を国教とし、それを利用して厳しい身分制度をつくった。王族の次には「両班」(りょうはん、ヤンバン)という特権階級・貴族階級を置いた。(李氏朝鮮初期の両班は、人口の約3%)
 驚くことに、両班は軍役の義務さえなく、「朝鮮の官人はみんなが盗賊」「転んでも自分で起きない」「箸と本より重い物は持たない」と言われた。労働を嫌い、賄賂が当たり前となり、警察や司法制度が崩壊した。

 当時の外国人旅行者の一人は「朝鮮の両班は、いたるところで、まるで支配者か暴君のごとく振る舞っている」と書き記している。まるでヤクザか大盗賊だ。また、仏教は徹底的に弾圧された。『仏教』は「万人平等」を説く。それで、支配階級にとって邪魔であった。
 昨今の韓国の支離滅裂な政治状況は、まさに両班そのものだ。

「ユダヤ教」
■「白人のユダヤ人」はどこから来たのか?
 
世界には「偽のユダヤ人」がいる。白人の顔をしたユダヤ人だ。現在、90%がそうだという。彼等がユダヤ人の歴史を乗っ取った。
 7世紀から10世紀、ウクライナの南に「ハザール国」があった。ハザール国はユダヤ教を国教とし、多くの「白人のユダヤ人」が生まれた。彼等の子孫は、ロシア・東欧・ドイツにかけて移動していった。彼等は、ハザール人であり、ユダヤ人ではない。ユダヤ人と血はつながっていない。「ハザール人のユダヤ教徒」と言うべきだ。

 したがって「2000年前にパレスチナに住んでいた」という彼等の主張は、嘘になる。イスラエル建国は間違いだったのだ。彼等はこの事実を隠蔽するため、映画やテレビで「ホロコースト」をさかんに宣伝し、ヘイトスピーチを監視している。歴史を捏造しているのは、彼等自身なのに。

 ちなみに、スティーヴン・スピルバーグは
「アメリカ生れ。ウクライナ系ユダヤ人。映画監督」となっているが、「ユダヤ人」は誤り。
 正しくは、「アメリカ生れ。ハザール系ユダヤ教徒。映画監督」単純化すれば、「ハザール系アメリカ人。映画監督」

■ユダヤ人は優秀か?
「世界のノーベル賞受賞者の22%はユダヤ人。さらに米国の受賞者でみると、36%がユダヤ人となっています。なかでも多く受賞しているのが経済学賞で、実に世界の38%をユダヤ人が受賞しています。」
 あるサイトによると、ノーベル賞受賞者の多い国ランキングTOP5(2018年まで、出身地別)
 1位アメリカ―271人、2位イギリス―87人、3位ドイツ―82人、4位フランス―55人、5位スウェーデン―29人。ちなみに、日本―26人、イスラエル―12人。

 有名な学者はドイツ出身が多いが、そもそも「ドイツ人が優秀」なのではないか。ドイツの教育や文化程度が高いからではないのか。ドイツは、工業技術や医学の分野で、高い技術を誇っている。

(有名なドイツ系ユダヤ教徒)
アルベルト・アインシュタイン、ドイツ生まれのユダヤ人。理論物理学者。
ジョン・フォン・ノイマン、ハンガリー出身の米国の数学者、物理学者。両親はハンガリーに移住したユダヤ系ドイツ人。

ジュリアス・ロバート・オッペンハイマー、ユダヤ系米国人の物理学者。原爆の父。ドイツからの移民の子としてニューヨークで生まれた。
カール・マルクス、ドイツ出身のユダヤ人。思想家、経済学者。
ピーター・ドラッカー、ユダヤ系オーストリア人。経営学者。ウィーンでドイツ系ユダヤ人の家庭に生まれる。

(アシュケナジムとセファルディムは、今日のユダヤ社会の二大勢力。アシュケナージは、ヘブライ語でドイツを意味する。イスラエルでは一般に、前者が白系ユダヤ人、後者がアジア人、南欧系及び中東系ユダヤ人を指す)
(イディッシュ語は、中・東欧のユダヤ人の間で話されていたドイツ語に近い言葉)

「日本の宗教」
■日本には中心になる宗教がない?
 これはよく批判されることだが、これが日本のスタイルだ。日本は、海外の優れた文化・文明を輸入し、日本的に改良して取入れてきた。宗教も例外ではない。
 むしろ、宇宙が無限であるのに、何かを絶対的に真理とし、他を排除することは、論理的に矛盾している。

■日本人にキリスト教は向いていない?
 日本人のクリスチャンは1%にも満たないという。それで、キリスト教は日本人に向いていないと言われる。しかし、仏教の中で一神教的な性格をもつ「浄土真宗」や「日蓮宗」の信徒が多いという事実からすると、受け入れる素地はあった。
 だが、豊臣秀吉や江戸幕府が、キリスト教が植民地主義と連携していることを見抜き、これを禁止したことが大きい。禁止しなければ、「浄土真宗」以上に信者が増えていた可能性がある。

■日本人に宗教は必要ない?
 日本は、ヨーロッパや中国に比べて戦争が少なかった。それで、教育や文化が発達し、戦闘的な宗教は必要なかった。また、農耕民族のため、戦争して略奪するよりも、皆と協力して農作物を生産する必要があった。自然災害が多いことも、皆と相互協力する基盤を作ったかも知れない。



(2019-8)

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