ロシア革命とユダヤ人


 ロシア革命は、ユダヤ民族解放革命であったのではないかと言われている。ロシア革命直後の中枢メンバーは、50人中、レーニンやトロッキーをはじめ、44人までがユダヤ人であった。また、諸国のユダヤ勢力もロシア革命を支援した。

 ロシア帝政時代、ユダヤ人はひどい虐待を受けていた。しかし、ヨーロッパから東へ東へと追われていったユダヤ人にとって、背後にはシベリアという極寒の土地が残っているだけだった。彼等は、ユダヤ人マルクスの説く人類解放の理論に最後の望みを託し、階級闘争によって革命を起こすしかなかった。

 しかし、1924年にレーニンが亡くなると激しい権力闘争が始まった。その代表的なものが、スターリン対トロツキーだった。やがてトロツキーは追放され、スターリンは徹底的に国内のユダヤ人を弾圧し、虐殺を繰り広げていった。

 スターリンはグルジア人で、ユダヤ人ではなかった。それに重要なことは、彼は革命当時の主要メンバーではなく権謀術数で独裁者の地位をつかんだのだった。彼には、もともと皇帝側のスパイであったという説があり、ソ連政府自身も認めているという。


(1992)

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