ソ連邦の解体


 マルクス主義(社会主義)が支持されたのは、当時の労働者の過酷な情況を考えれば、当然だったかもしれない。ソ連に続き、多くの社会主義国が出現した。しかし、資本主義が社会主義の制度を取り入れて発展してきたのに対し、社会主義陣営は自らの過ちを認めようとせず、独裁政治を続けていった。

 イデオロギー論議を抜きにしても、何十年にもわたる一党独裁がどのような結果をもたらすかは、容易に想像がつく。官僚主義、特権階級の出現、マスコミ統制、秘密警察、収容所。公害タレ流しの生産至上主義をとりながら、モノ不足がおこる不可解さ。このような批判は、日本でもずっと以前からなされていたが、マスコミ自体が進歩的知識人によってリードされてきたため、おおっぴらには報道されなかったという一面がある。

 しかし、ソ連邦の解体によって、社会主義の歴史的実験にいよいよ終止符が打たれたようだ。この期におよんで社会主義のメリットを説こうとしても、どれくらいの人々が耳を傾けるだろうか。ボク自身、若い頃より社会ス主義の動向が大変気がかりで、社会主義の将来についての議論を雑誌で読んだり、友人と何度か論争したこともあったが、今ではそれらが空しく思えてくる。

 ところで、資本主義と社会主義は対立するものであるが、視点をかえれば同じものとなる。つまり、どちらもユダヤ人がリードしてきたのである。

 資本主義について言えば、ユダヤ人は中世より金貸業や商業で身を立ててきた。産業革命の時代には、産業のために資金を調達し、現在では豊富な資金力と情報網によって、世界を動かすまでになっている。

 社会主義について言えば、マルクスはユダヤ人であったし、ロシア革命の中心メンバーの大多数がユダヤ人であった。おそらくソ連とアメリカの長い冷戦時代にも、ユダヤ人を仲介にして情報交換や裏取引をしていたのではなかろうか。一例をあげると、航空ショーに出てくるソ連製の超音速旅客機や戦闘機が、西側のものと大変似ていることが以前から話題になっていたが、ここにもユダヤ人が暗躍していたのではなかろうか。


(1992)

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