トランプ大統領で世界は激変?



 今年はなんといっても、トランプがアメリカ大統領に当選したのが最大の出来事でした。が、大きなニュースがその前にありました。

■パナマ文書の流出(4月)
 「パナマ文書」とは、中米パナマにある法律事務所から流出した膨大な顧客データのことです。この「パナマ文書」をもとに、世界各国の首脳や著名人の「隠れた資産」が次々と暴露されています。アイスランドでは首相が辞任に追い込まれた。大企業や資産家が、資産を隠し、税金逃れをしている実態が明らかになりました。
 庶民は働いて、キチンと税金を納めているのに、金持ちは税金逃れをしている。世界中の人々が「不公平ではないか。われわれは騙されている」と思ったのではないでしょうか。

■イギリス、EUからの離脱を選択(6月)
 イギリスでEU離脱の是非を問う国民投票が6月23日行われ、24日、結果が発表されました。イギリス国民が出した答えは「EU離脱」でした。離脱票が51.9%、残留票は48.1%という僅差の結果でした。投票率は72.1%という、非常に高い数字であり、イギリス国民の関心の高さが伺えます。移民・難民をこれ以上受け入れられない、という表明です。税負担が増え、治安も悪化します。ドイツでも移民の流入に制限をもうけようとしています。「グローバル化」「多様な文化の受容」は限界にきているのかもしれません。

■ロドリゴ・ドゥテルテ大統領就任(6月30日)
 フィリピンのトランプと言われるドゥテルテ大統領が就任しました。麻薬犯罪者は殺害してもいいということで、それを恐れた犯罪者は刑務所に駆け込み、満杯になっています。フィリピンは、16世紀以来、ポルトガル・アメリカの植民地になっており、アメリカに対する反感も相当あるようです。中国については、今までの反中国一辺倒ではなく、経済援助を引き出そうというしたたかな面をもっています。

■トランプが大統領に選出される(11月)
 トランプとヒラリーの戦いとなりましたが、多くのマスコミの予想がはずれました。「最悪の選挙戦」だとも言われましたが、泡沫候補のトランプが破竹の勢いで大統領に選ばれました。今、書店をのぞくと、このトランプ現象について、多くの方が論評しております。一つの理由は、アメリカ国内で格差が広がっているということです。金持ちはドンドン金持ちになり、低所得の人は、ますます生活が苦しくなっていく。

 自由と民主主義やグローバル化は、耳障りのよい言葉ですが、実態は産業の空洞化を招き、移民が流入し、治安が悪化し、伝統文化が崩壊しつつあります。この情況の代弁者がトランプだったのだと思います。もう我慢できないと。民主党では、最低賃金引き上げや大学授業料無料化を主張するサンダースが善戦しました。ヒラリー陣営には、大企業から多額の政治献金があったとも言われています。

 トランプは演説で、他国から攻撃された場合、「アメリカは日本を助けるのに、日本はアメリカを助けない。不公平ではないか」と指摘しました。その通りだと思います。オスプレイの事故があった時、「日本に主権はないのか」「アメリカの属国か」という批判がありました。その通りだと思います。「一国平和主義」という言葉がありますが、アメリカに「おんぶに抱っこ」されている赤ん坊の状態から、脱却すべきだと思います。

■真田丸
 NHKの大河ドラマは「真田丸」でした。真田親子は和歌山県の九度山に蟄居していた経緯もあり、地元をあげて応援していました。個人的には、三谷幸喜脚本、堺雅人の主演ではどうなるか、と思っていましたが、予想どうりの結果になってしまった。堺雅人ではキャラクターが軽すぎた。「きり」は現代的すぎて時代劇にはミスマッチだった。

(2016-12)



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