大河ドラマ「西郷どん」



 今年もいろんなことがありました。個人的に楽しみにしていたのが、大河ドラマ「西郷どん」だった。
 西郷隆盛の物語。元は薩摩藩の下級武士。西郷は身長が180Bくらいあり、目が大きかったらしい。維新のリーダー達の写真が多数残っているが、現在まで西郷の写真は確認されていない。西郷のことはおぼろげに知ってはいたが、このドラマで改めて西郷の生涯を知ることができ、良かった。

 子どもの頃、喧嘩の仲裁をして右腕を怪我し、刀を握れなくなったこと。島津斉彬の死後、島津久光と折り合いが悪く、島流しにあい、奄美に流されたこと。政府に復帰し、旧幕府軍を討伐したが、明治政府内で大久保利通と意見が合わず、薩摩に帰り、西南戦争で敗れたこと。
 西郷が生きた時代は、歴史の転換点だった。黒船が表れ、諸外国は開国を要求してくる。幕府は対処できない。幕府軍と倒幕派の戦いが始まる。その上、外国との戦争も勃発した。

 1863年、薩英戦争。薩摩藩と英国の戦争。引き分け。
 1864年、下関戦争。長州藩と英・仏・オランダ・米との戦争。長州の負け。賠償金を支払う。

 幕府の弱体化が顕著になり、幕府を倒して王政復古となった。必要でなくなったのが、武士たち。武士達は自分たちがいらなくなる世の中を想像もできなかったに違いない。武士の反乱が各地で起こった。武士の思いをくみ取ったのが、西郷だった。新しい国づくりを積極的に推し進めてきた西郷だったが、その混乱の責任を自らとる格好になった。1877年、西南戦争で西郷が敗れた。

 政府軍には、多くの薩摩武士がおり、薩摩武士同士が闘ったことになる。この戦争を指揮した大久保利通自身、西郷の親友だった。西郷が亡くなった翌年には、大久保利通が暗殺されている。明治の新政府が安定するまで、多くの血が流れた。
 西郷が残した言葉が「敬天愛人」。天を敬い、人を愛する。非常にシンプルだが、スケールの大きい言葉だと思う。

 西郷たちは、世界の情勢をいち早く取入れ、日本の取るべき道を考えた。この混乱期に多くの血が流れたが、もし、あの時代に西郷たちが頑張らなかったら、日本は欧米諸国に占領されていた。欧米は、幕府軍と新政府軍を戦わせて、国力を奪い、その隙に日本を植民地にしようとしていたのではないか。
 明治以後は、欧米に負けじと富国強兵に努めた。太平洋戦争に負け、アメリカの属国のような形になってしまったが、ソビエトに占領されず、共産化されずにすんだ。

 最近は、アメリカと中国の貿易戦争が勃発している。今月も、ファーウェイ(中国の通信機器メーカーで、1987年に人民解放軍出身が創業)の副会長(創業者の娘)がカナダで逮捕されたというニュースがあった。たくさんパスポートを持っているのが発覚した。中国パスポートが4通に、香港パスポート3通。逮捕された原因の一つは、ハーウエイのスマホに会話を盗聴するスパイウェアが仕込まれていること。

 アメリカと中国は今後どうなっていくのか。日本国内の問題についても、世界の政治状況をふまえて考える必要がある。今後もアメリカと中国の動向から目が離せない。

(2018-12)



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