北アイルランドで爆弾テロ、28人死亡


 
 英国・北アイルランド西部オマの中心部で15日午後(日本時間同日深夜)、車に仕掛けられたとみられる爆弾が爆発、28人が死亡し約220人が負傷した。30年にわたる北アイルランド紛争史上、単独のテロ事件としては最悪の惨事となった。

 犯行声明は出ていないが、カトリック過激派アイルランド共和軍(IRA)から和平路線に反対し離脱した最過激派組織が、合意を覆すことを狙った犯行とみられている。和平合意が最悪のテロを招いたことにブレア英政権は衝撃を受け、今後の合意履行への影響を懸念している。

(琉球新報 1998-8-17)



(北アイルランド問題)
 先住のゲール人は紀元前5世紀頃イギリス本土やヨーロッパ大陸から渡来したケルト人に征服された。12世紀にイギリスの侵入が始まり、イギリス本国に編入されて以来、植民地支配とカトリック弾圧に対する抗争が絶えなかった。

 18世紀初頭から独立運動が激化し、1921年のイギリス・アイルランド条約で32州のうち、プロテスタント系が多数派の北アイルランド6州を除く26州が自治領となる。この26州が37年に新憲法制定、国名をエールとして独立。49年、現国名に改め、英連邦から離脱し共和国となる。しかし北アイルランド6州は依然、イギリス連邦に属し、北アイルランド問題の発端となった。

(イミダス1989 別冊付録) 



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