「ミス・クロアチア」に民族差別



 民族主義の強まるクロアチアで行われた、ミス・ユニバース世界大会予選を兼ねた美人コンテストで、イスラム教徒の女性がミスに選ばれた後、審査結果が取り消される事態が起き、民族差別ではないかと、波紋を広げている。

 コンテストは11日実施され、学生レイラ・シェホビッチさん(22)が「ミス・クロアチア」の栄冠に輝いた。ところが、シェホビッチさんがイスラム教徒だったことから多数派クロアチア人が反発。「クロアチアで最も美しい女性が、イスラム教徒とは何事」と抗議が殺到、主催者は1週間後「投票に一部不正があった」と、2位のクロアチア人イバナ・ペトコビッチさん(17)の繰り上げを発表した。

 これに対し、シェホビッチさんは「冠と勝利は返上しない」と全面的に争う構え。旧ユーゴのイスラム教徒は人種的には、セルビア人やクロアチア人と同じ南スラブ人。
 事態を憂慮したミス・ユニバース世界大会事務局(ロンドン)は18日、クロアチアの出場権停止を示唆した。

(読売新聞 1998-10-20)



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