NATO、ユーゴ空爆を停止



 北大西洋条約機構(NATO)のソラナ事務総長は10日、ユーゴスラビア連邦軍が同日、NATOとの撤退協定に従ってコソボ自治州から撤退を開始したため、2カ月半以上に及んだユーゴ空爆を停止した、と発表した。11日間の期限で撤退が完了すれば、正式に空爆終了を宣言する。80万人以上の難民を出したコソボ紛争は、空爆に反対したロシアも加え、国連の管轄下で恒久和平への道を探ることになった。

 NATOは3月24日、初めて国連安保理の武力行使に関する決議なしに主権国家を攻撃、圧倒的な軍事力でユーゴのミロシェビッチ政権からほぼ全面的譲歩を引き出した。50周年を迎え、冷戦後の使命を地域紛争への対応としたNATOは、一応の面目を保った形だ。

(琉球新報 1999-6-11)



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