奴隷貿易は人道への罪…国連差別撤廃会議が宣言



 南アフリカのダーバンで開かれていた国連主催の世界人種差別撤廃会議は8日、過去の奴隷制と奴隷貿易を「人道に対する罪」と認め、会議全体として「深い遺憾の意」を表す文言を盛り込んだ宣言案と行動計画案を採択した。

 会議は、初めて世界が奴隷貿易などの過去と向き合う場となった。ただ米国とイスラエルが会期中に代表団を引き揚げ、意義が損なわれたほか、採択を予定された文書のうちには議論を尽くせず積み残されたものもあった。

 採択文書は、奴隷貿易などでアフリカ諸国が受けた被害について「歴史的な不正義が貧困や開発の遅れを招いた」とした上で、債務救済などの支援策が必要だと指摘。アフリカ側が求めた明確な謝罪と補償は盛り込まれなかった。

 懸案だったパレスチナ問題の位置付けでは、パレスチナの置かれた窮状に言及したものの、イスラエルを名指しで非難する表現は削除された。

(琉球新報 2001-9-9)



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