米兵器産業に戦争配当



 アフガニスタン、イラクと続く戦争で、米国の兵器産業界が大きな恩恵を受けている。2001年9月の米中枢同時テロ以降、米政府のテロ対策予算や戦費支出が大幅に増大、大手防衛機器メーカーは「戦争の配当」に潤っている。

 大量の新鋭兵器が消費されていくイラク戦争。その影には、米英両国と、イラク攻撃に反対した「反戦国」のフランス、ドイツ、ロシア、中国の6カ国が世界の兵器市場の9割以上を支配している現実がある。(中略)

 1980年代後半まで、イラクのフセイン政権やウサマ・ビンラディン氏に大量の兵器を供給してきたのは米国。イラン・イラク戦争が終わり、冷戦が終結し、彼らが米国の敵になってからこの流れが止まったにすぎない。英国やフランス、ドイツもイラクに兵器を輸出してきた。

 英国際戦略問題研究所によると、2001年の米国の兵器輸出額は97億ドル(約1兆1640億円)で、シェアは46%と断然トップだ。
 2位には英国(19%)、3位がロシア(17%)。米英ロの3カ国で世界の8割以上を占めている。さらにフランス(5%)、中国(2%)、ドイツ(0.5%)と続き、イラク攻撃の是非をめぐって対立していた「米英」と「独仏口中」の6カ国が世界の兵器輸出の95%を牛耳っているのが実態なのだ。

 輸入国のベスト10は、サウジアラビア、中国、台湾、韓国、エジプト、イスラエル、インド、クウェート、パキスタン、スリランカの順。紛争の絶えない中東、南アジアだけでなく、北東アジアでも軍拡は進んでいる。

(琉球新報 2003-4-10)



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