回族と漢民族衝突…中国河南



 中国河南省北部の中牟県で先月発生したイスラム教徒の回族と漢民族との衝突について、現地で調査に当たった公安当局者は10日、28人が死亡、重体の約60人を含む計約200人が負傷したことを明らかにした。

 当局者は、地方政府幹部が処分を恐れて、中央政府に正確な情報をあげていないと指摘した。実態隠しのため、地方政府は同県に至る道路を封鎖、武装警察など1万人以上を配備して戒厳態勢を敷いているという。

 交通事故をきっかけに、両民族の村ぐるみの対立に発展。双方が鉄棒や鉄鎖、農具で武装し、応援に駆け付けた近隣の10数の村の住民も含めて約1万人が、10月27日から29日にかけて乱闘を続けた。
 これまでに司法当局が約30人を拘束。これとは別に、両民族の地方リーダーらが解決に向けた話し合いを続けているという。

 現場は河南省開封の西約15キロの地区で、黄河の近く。黄河沿い農地の帰属をめぐって両民族は数十年来対立しており、近年は建築資材の運搬業の利権に絡む争いが続いていたとみられる。

 当局者は「小競り合いは以前からあったが、地方官僚らが金のやりとりで片付けていた」と述べ、背景に地元の政府と司法当局の腐敗があることを示唆した。

 中国各地で、官僚腐敗や土地の強制収用などへの不満を募らせた住民が暴動などの抗議行動を起こすケースが相次いでいる。

(琉球新報 2004-11-11)



目次 トップ


inserted by FC2 system