インドの英雄「ボーズ」映画化
第二次大戦中、インド独立のため旧日本軍の助けを借り「インド国民軍」を率いて英軍と戦っスバス・チャンドラ・ボースの歴史的な意義を見つめ直す映画がインドで完成、5月初めに全土で公開される。
社会派として著名なシャム・ベネガル監督(70)の「ボース−忘れられた英雄」(仮訳)で、非暴力主義のマハトマ・ガンジーとは対照的に、武力での独立を目指したボースに光を当てた。
急成長するインドとの新たな関係構築を日本が求められる中、両国の歴史的つながりを印象づける役目も果たしそうだ。
映画は、ボースがドイツに亡命後、日本で東条英機首相(当時)の信頼を得て、インド国民軍を率い独立を目指した1941〜45年を描いた。プロの日本人俳優は使わず制作費は約2億2000万ドル(約5億3000万円)。
ベネガル監督は共同通信に「ボースは出身地コルカタ(旧カルカッタ)がある西ベンガル州では英雄だが、他の地域ではもはや忘れられている。しかし独立に果たした役割は大きかった」と意義を強調、若者らが国の在り方を考える契機になることを期待する。
また「日本はボースを助け独立に影響を与えた。当時、日本はとても近い存在だったが、現在の平均的インド人は日本をあまり知らない。相互に接触する機会がなくなったためだ」と指摘。同作品を将来、日本でも公開したいとしている。
(琉球新報 2005-4-28)
目次 トップ