ナチス姿…英王子に非難集中



 英国のチャールズ皇太子と故ダイアナ元妃の二男ヘンリー王子(20)が、ナチス・ドイツ軍の制服姿でパーティーに出席したことに国際的な非難が渦巻いている。戦後60年がたった今なお、ナチスは国際社会にとって冗談では済ませられない深刻な影を投げ掛けているためだ。

 王子は既に謝罪の声明を出しているが、謝り方が足りないとの批判もあり、「罪滅ぼし」のために大勢のユダヤ人が虐殺されたポーランドのアウシュビッツ強制収容所を訪問させるべきだとの考えも浮かんでいる。
 野党保守党のハワード党首は、王子が「どれだけ悔いているか自分の言葉で示してもらうのが適切だと思う」と述べた。しかし王室スポークスマンは、王子に謝罪を繰り返す考えはないことを明らかにした。

 ユダヤ人国家イスラエルのシャローム外相は「単に『悪趣味』で済ますことは、ナチスの時代はそんなに悪くなかったのではないかという考えにつながる恐れがある」と警告した。
 反ユダヤ主義監視団体の責任者は、今月27日にアウシュビッツ強制収容所で開かれる解放60周年記念式典に英代表団の一員として出席し、虐殺の現場を見るよう呼び掛けた。

 英王室によると、式典に王子が出席する予定はないが、将来、兄のウィリアム王子(22)と一緒に私的に同収容所を訪れる可能性は否定しなかった。

(琉球新報 2005-1-16)



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