違法な森林伐採と闘う・・・ニューギニア



 違法な森林伐採と闘う女性弁護士・アン・カジールさん
「火山の噴火か洪水の後のような土地に立って、その女性は『木を切ることをやめさせてくれ』と訴えていた。そこは森に暮らすコミュニティーの人々にとっての聖なる土地だった。これがわたしの出発点です」

 大学時代、ボランティアで訪れた地での体験が、母国パプアニューギニアで違法な森林伐採を行う企業との法廷闘争に一生をささげようと決意させた。

 違法伐採で土地を奪われた先住民の弁護士として法廷に立ち、約8000万円の賠償金を得たこともある。現在は、環境問題に取り組む法律家組織「環境法センター」の代表。今年4月には、世界各国で環境保護に貢献した活動家に与えられるゴールドマン環境賞を受賞した。
 「いつも嫌がらせやいたずらの電話がかかってくるので、受賞を知らせる電話も最初はそれだと思った」と笑う。

 「森林にまつわる汚職と不正がまん延する」パプアニューギニアでの活動は、脅迫や襲撃の対象になる。寝ている間に誰かが家に侵入し、裁判資料が盗まれ、ベランダには身分証明書やパソコンが並べて置かれていたこともある。

 「違法伐採は原産国だけの問題ではない。日本が大量に輸入している木材の多くが違法な品で、先住民の犠牲の上に成り立っている。それが分かっているのにどうして輸入が続けられるのでしょう。日本人も違法伐採の廃絶に貢献できるのに」
 首都ポートモレスビー在住の23歳。パートナーとの間に3人の子どもがいる。

(琉球新報 2006-11-26)



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