女性のベールは時代遅れ・・・国内外で論争に



 「ヘジャブ(イスラム教徒の女性が頭にかぶるベール)は時代遅れであり、復古主義の表れ」。エジプト文化相の発言が、これに反発する同国内イスラム教保守派と非宗教的な価値観を尊重する知識人らの論争に発展。さらに聖地メッカを抱えるサウジアラビアの宗教者も発言を非難するなど、内外に波紋を広げている。

 ファルーク・ホスニ文化相の発言を伝えたのは最近のエジプト紙。文化相はその後もテレビの討論番組で「女性が何を身に着けるかは全くの自由だ」としながらも「ヘジャブはイスラム教徒の義務ではない」「女性は花のような存在であり、ヘジャブをまとってその美しさを隠したりする必要はない」などと語った。

 人民議会(定数454)で88議席を持つイスラム原理主義組織、ムスリム同胞団は「ヘジャブを着けた女性に対する侮辱だ」(ハムディ・ハッサン議員)と反発、発言を批判する緊急声明を出すとともに、文化相の辞任を要求している。
 サウジ高位聖職者評議会のアブドルアジズ・シェイフ師も「イスラムの地を襲った災厄であり、コーランの教えを否定するものだ」と述べ、強い遺憾の意を表明した。

 一方、女性誌ハワアのイクバル・バラカ編集長は「発言は正論で、ヘジャブは今の女性には全くそぐわない」と文化相の発言を支持しているが、エジプト国内でこうした意見は今のところ少数派だ。

(琉球新報 2006-11-26)



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