欧州7カ国の王位継承・・・男女平等化機運高まる



 立憲君主制の下で王室を持つ欧州の7カ国は、いずれも女性の即位を容認しており、性別を問わず王位継承に道を開いている。英国など三カ国は男子継承優先だが、スペインとデンマークでは近年、長子優先に向けた法改正の動きが出るなど継承権の男女平等化の機運が高まっている。

 スペインとデンマークはともに昨年10月、皇太子妃が長子を出産。女児が誕生したスペインでは、政府が「女性にも平等に継承の権利を認めるべきだ」との立場を表明、憲法改正を検討中だ。
 一歩先を行くのがマルグレーテ2世女王(66)のデンマーク。議会は今年6月、長子優先の法改正案を全会一致で可決、国民投票に問う手続きが進む。ただし誕生した長子は男児。

 2カ国と対照的なのが、エリザベス2世女王(80)が50年以上、在位し、「女王」の国のイメージが強い英国。議会の一部に男女平等化を求める動きはあるものの、チャールズ皇太子(57)の長子がウィリアム王子(24)で緊急性はないため、当面は男子優先が続きそうだ。

 残る4カ国はいずれも男女平等。スウェーデンではビクトリア王女(29)が王位継承権第一位。ノルウェー、ベルギーでは皇太子夫妻の長子がいずれも女子。ベルギーでは1831年の独立後初めて、ノルウェーでは約600年ぶりに女王誕生の可能性が出ている。
 現在のベアトリックス女王(68)まで女王が3代続いたオランダでは、長子ウィレム・アレキサンダー皇太子(39)が即位すれば、1890年に死去したウィレム3世以来の国王となる。

(琉球新報 2006-9-6)



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