「おおな」試食会にぎわう(和歌山県串本町)





 和歌山県串本町と町教委、町社会福祉協議会主催の「第6回ふれあいいきいきまつり」が21日、町文化センターなどであり、同町和深に伝わる巨大魚「おおな」の解体、試食が行われた。おおなは187センチ、110キロあり、参加者は振る舞われた鍋に舌鼓を打った。

 「おおな」は一般的にイシナギ(スズキ科)と呼ばれる。弘法大師が和深の住民に食事を出してもらった礼として、おおなが釣れる所を教えたという伝説がある。試食会は地元のまちおこし団体「和深釣りクラブ」が、おおなが手に入った年だけ開いており、今回は2007年以来、3年ぶり3回目。大阪の釣りグループ「チームアイランド」が釣ったもので、試食会では過去最大級だった。

 おおなは朝から展示され、多くの見物人が見守る中、地元食品会社の職員が2人がかりで手際よく解体した。
 解体されたおおなは高菜、タマネギ、豆腐を入れた「大師鍋」として約千人分が振る舞われ、行列ができる人気だった。食べた人らは「あっさりとしておいしい」と喜んだ。
 解体ショーを見物した大島小学校4年の井本康太君(10)は「大きな魚を一度見てみたいと思った。食べるのを楽しみにしていた」と話した。

 試食会では、弘法大師が和深で訪れたとされる家の子孫に当たる中崎弘志さん(77)=串本町くじの川=が、伝説を紹介した。中崎さんは「大師さんが和深に泊まったとされる1月21日には毎年、和深で祭りをしている。昔は今よりも盛大で参加する人も多かった。地元にこんな伝説が残っていることを多くの人に知ってほしい」と話した。

 和深釣りクラブの事務局を務める水口崇さん(51)は「定期的に地元でイシナギの捕獲作戦をするなど、今後も『大師魚』で地域おこしをしたい」と話している。

(2010-11-23)



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