中国とバチカン険悪



 中国の官製カトリック団体がローマ法王の意向を無視して司教を独自に任命したことをきっかけに、中国とバチカンの対立が深まっている。一見強気の中国だが、任命強行の背景には、中国人司教の多くがバチカンとの関係悪化を恐れ、官製団体の幹部選出がままならないという苦しいお家事情もあった。

■中国のカトリック教
 中国政府は建国から2年後の1951年、力トリック布教の歴史を西欧による植民地政策の一環ととらえ、バチカンと国交を断絶。外国人司教を追放、独自に司教を任命するなど教会への干渉を始めた。90年代以降、宗教政策を緩和させた中国と、中国国内の信者を獲得したいバチカンの思惑が一致し、国交回復の動きも出ていたが、中国側は06年、神父3人を法王の承認を得ずに司教に任命。関係改善の動きは止まっている。中国国家宗教局によると、国内の力トリック信者数は約400万人。非公認の地下教会も含めると1200万人という推計もある。

(朝日新聞 2011-1-8)



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