ダライ・ラマ、高野山で法話



■悩むのは知性の証し
 チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世が31日、高野町高野山の高野山大学で法話をした。ダライ・ラマ14世が高野山を訪れるのは、1980年11月以来31年ぶり。

 高野山大学が真言密教とチベット密教の学術・文化交流を目的に招いた。この日の法話には、若手僧侶や一般から申し込みのあった人ら約800人が集まった。ダライ・ラマ14世は冒頭、東日本大震災にふれ、「友人の一人として、兄弟姉妹の皆さんと悲しみと苦しみを分かち合えたら」と話した。

 法話のあと、松最有慶・高野山真言宗管長とともに場内からの質問に答えた。高校生が「日々、何かにつけて思い悩むことが多い。どうすれば直せるか」と問いかけると「思い悩むのは優れた知性を持っているから。その知性をうまく方向づけして、幸せになるために使っていくことが上手にできるようになればよい」と答えていた。

 ダライ・ラマ14世は高野山で11月1、2日に宗教儀式、3日に再度法話を行ったあと、5、6日にかけて仙台市、宮城県石巻市、福島県郡山市で講演や震災の犠牲者の慰霊をする予定。

(朝日新聞 2011-11-1)



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