オウム派生団体になお警戒



 公安調査庁は16日、国内外の治安情勢をまとめた「内外情勢の回顧と展望」の2012年版を公表した。オウム真理教から派生した団体「アレフ」が、教団元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(56)に対して絶対的な帰依を示す「麻原回帰」の傾向を強めていると強調。分派した「ひかりの輪」も、松本死刑囚の影響下にある実態に変化はないとしている。

 教団による一連の事件の刑事裁判が11月に終わったことを受け、公安庁は「教団の関心は松本死刑囚の死刑執行に集まっている。どんな行動を起こすかわからず警戒が必要」と指摘している。

 公安庁によると、アレフでは「グル(松本死刑囚)の意思とは何だと絶えず考える」などの言葉を繰り返し唱和する修行を15年ぶりに再開させた。ひかりの輪は「脱麻原」を対外的にアピールする一方で、松本死刑囚から受け継いだ儀式を現在も続けているという。

(朝日新聞 2011-12-7)



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