タリバン批判の14歳少女撃たれる



 パキスタンで、女性の教育の権利を否定するイスラム過激派組織をインターネットで批判していた14歳の少女が、下校途中に銃撃され、国際社会から強い非難の声が相次いでいます。

 パキスタン北西部の町で、9日、地元の学校に通う女子学生のマララ・ユスフザイさん(14)が、通学バスで下校しようとしたところ、複数の男がバスを停止させ、マララさんに発砲しました。マララさんは、頭などに銃弾を受け、北西部の都市ペシャワールにある軍の病院に搬送されて手当てを受けていますが、意識はなく重体だということです。

 パキスタン北西部では、イスラム過激派組織「パキスタン・タリバン運動」が5年ほど前に勢力を拡大したのに合わせて、女の子が通う学校を破壊して強制的に閉鎖させるなど女子教育を妨害しましたが、マララさんは、インターネットのブログを通じてこうした女性の教育の権利を否定する行為を批判していました。

 「パキスタン・タリバン運動」は事件への関与を認めていますが、14歳の女の子を狙った凶悪な銃撃事件に対し、国際社会から強い非難の声が相次いでいます。
 アメリカのクリントン国務長官は、10日、マララさんのこれまでの活動をたたえる一方、「女の子が教育を受け、みずからのために発言することを望まない過激派の行為だ」と述べたほか、EU=ヨーロッパ連合のアシュトン上級代表も、10日、声明を出し「基本的人権に対する卑劣な攻撃だ」と非難しました。

(NHK NEWS WEB 2012-10-11))



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