中国新彊、誘拐された子2,200人救出
中国新彊ウイグル自治区で、子どもが誘拐され、都会で盗みなどの犯罪を強要される事件が後を絶たない。公安省は20日、昨年4月以降の集中取り締まりで、同自治区出身の2274人の未成年者を救出し、容疑者2749人を逮捕したと発表した。
公安省などによると、容疑者らは同自治区の子どもを北京や上海、西安などの都市に送り込み、ショッピングセンターや駅といった人が多く集まる場所で、窃盗などの違法行為をさせていた疑いがある。その際、暴力で虐待したり、脅迫したりもしていたという。
2011年に誘拐されて救出された同自治区の未成年者は1332人だった。例年3千人前後が救出されているが、幼いころ誘拐されたため、救出された後に自宅の住所が言えない子もいるという。
中国メディアによると、誘拐されて上海で3年を過ごし、同自治区に戻った10歳の少年は、新しい服を着せようとしたところ、全身に200カ所以上の傷が見つかった。
誘拐された子どもへの虐待をめぐっては、浙江省温州で昨年9人の子どもが保護された事件を報じた地元紙は、子どもたちが1日当たり2千元(1元=約13円)分の窃盗を強要され、ノルマを達成できずに逃げ出すと連れ戻され殴られたと伝える。
ベルトやモップで殴られた9歳の女の子もいたという。
09年に2千人近くが死傷する暴動が起きて以来、同自治区ではウイグル族と漢族の対立感情が高まっている。当局は深刻な子どもの誘拐問題を解決し、住民生活を重視する姿勢をアピールしたいとみられる
同自治区の区都ウルムチには来年10月、こうした未成年を保護して教育する訓練センターが5千万元をかけて新設される。
(朝日新聞 2012-11-22)
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