マヤ予言の日、各地で騒動



 古代マヤ暦の予言で「人類滅亡の日」とされる21日、滅亡自体は今のところ起きていないが、デマで生活必需品の買い占めが起きたりした国々では、騒ぎを楽しむ人も加わって混乱が続いた。

 ロウソクの買い占め騒ぎや、避難用の船やカプセルを造る人が各地に現れたりした中国では、21日は平静だったものの、デマの背後にあるとみられる宗教集団「全能神」への当局の摘発が続く。21日付の夕刊紙、法制晩報によると、拘束者は16の省や自治区で1,300人を超えた。首都北京でも拘束者が出ている。

 やはり買い占めなどが起きたロシアでも、フーチン大統領が20日の一斉記者会見で「世の終わり」について聞かれ、「(太陽が寿命を迎える)45億年後に全てが終わる」と述べて21日の滅亡を否定した。メドベージェフ首相も7日のテレビ討論番組で「私は世の終わりを信じない。今年は必ず終わるけれど」と冗談めかした。

 だが騒ぎを楽しむ市民も少なくない。中国の地元紙によると、ネット通販最大手の淘宝で「ノアの方舟チケット」と称する商品は1,700種類を超える。大半は友人や恋人などに贈る「ジョークグッズ」だが、過去ーカ月で40万元(約500万円)を売り上げた出品者もいるという。
 ロイター通信によると、キリストが埋葬された「聖地」といううわさがあるフランス南部の村ビュガラッシュには、避難してくる人を取材しようと村の人口を超える250人の報道陣が殺到。「世界の終わり酒場」を開店してもうけている村人もいるという。

 英BBCなどによると、メキシコやグアテマラなどのゆかりの地では関連行事も開かれる。日本から現地にも行くツァーもあり、20人ほどが参加。企画したユーラシア旅行社は「滅亡の日はあくまでお祭り的な要素としてとらえてもらっている」といい、年内に帰国する予定だ。

(朝日新聞 2012-12-22)



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