次は復活祭?(イースター)



 キリストの復活を記念する欧米の祝日「イースター(復活祭)」にちなんだ商品やイベントが国内でも目につくようになった。米国ではバレンタインデーに並ぶ春の商戦。小売店を中心に新たなビジネスチャンスにしようと工夫を凝らす。
 イースターは、春分を過ぎて初めての満月の後に訪れる日曜日(今年は4月8日)。キリスト教圏では、生命の復活を連想させる卵に色を塗ったり、多産といわれるウサギの形をしたお菓子をつくったりなどの習慣がある。米国の市場規模はクリスマス、バレンタイソデーなどに次いで4番目という。

 サーティワンアイスクリームは昨年から、関連の商品を売り始めた。千日前店(大阪市中央区)では4月22日まで、卵形の器にウサギの耳の形をしたチョコレートをのせたアイスクリーム(450円から)を販売。売り上げは昨年比で1割ほど増えたという。店長の飯塚麻衣さん(24)は「今はまだ、なじみのないキャンペーンだがこれから広めたい」と話す。

 東京ディズニーランドは6月30日まで「ディズニー・イースターワンダーランド」を開催。ディズニーのキャラクターがイースターをテーマにした衣装や乗り物でパレードする。ディズニーのキャラクターを描いた卵の置物を探すイベントもある。
 関連イベントは2010年から開催。「4〜6月は気候の割に他の季節に比べて集客が見劣りする。クリスマスやハロウィーンぐらい定着させたい」(広報)

 一方、10年以上前からイースター商品を販売する外資系ホテルも。ザ・リッツ・カールトン大阪(大阪市北区)は13日まで赤、黄、緑で彩った卵形のチョコ(各1890円)を販売。ヒルトン大阪(大阪市北区)も9日までニワトリ形のチョコ(1800円)を売る。ヒルトンの広報担当者は「外資系ホテルで外国人宿泊客が多いので始めたが、最近は日本人でも買う入が増えている」。

 マーケティング会社「ドレンダース」(東京)の武久陽亮さんは「イースターの商品やイベントは最近、雑誌で取り上げられるようになった。個人消費が厳しい中、企業は新たな商戦として注目し始めている」と話す。

(朝日新聞 2012-4-6)



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