ユダヤ系団体、コシミズ氏広告に抗議



 産経新聞に掲載された広告をめぐり、ユダヤ系団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・米ロサンゼルス)のエイブラハム・クーパー副所長は4日(日本時間5日)、産経新聞社の熊坂隆光社長宛てに抗議文を送付した。
 同センターが問題視しているのは、11月26日付の東海・北陸版に掲載された「ネットジャーナリスト リチャード・コシミズがユダヤ独裁国家アメリカの謀略を暴く!!」と題した全面広告。コシミズ氏の寄稿とともに、発売中の3冊の本を紹介した。

 これについて、クーパー氏は「これらの本はユダヤ人に対する危険極まりない虚言の流布」と指摘。「アンネ・フランクや150万人のユダヤの子供たちを含む600万人のユダヤ人が欧州で犠牲になった第二次世界大戦のナチスによるホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を否定するばかりか、著者は、ユダヤ人がマスメディアを操作し、非道な目的を達成するために世界の出来事や経済をも操っていると断言した。9.11(米中枢同時テロ)の惨禍から、日本の(東日本大震災の)津波の悲劇、北朝鮮の脅威にいたるまで、何らかの形でユダヤ人とイスラエルに関連づけている」と批判した。

 その上で、広告を掲載した産経新聞に対しても、「真実を追求するジャーナリズムの責任を売り飛ばした」とし、「読者とユダヤコミュニティーに謝罪する義務がある」と抗議。「産経新聞に対し、あらゆる集団に対する憎悪を普及させる目的で紙面が使われることが二度とないよう、広告の掲載方針を見直し変更するよう強く要請する」としている。

■産経新聞社、熊坂隆光社長のコメントは以下の通り。
 問題の広告が産経新聞11月26日付東海・北陸版(約5干部)に掲載されたのは事実であり、12月4日付でサイモン・ウィーゼンタール・センターのエイブラハム・クーパー副所長からの抗議文を受け取りました。
 掲載に至る経緯は現在、社内で調査中ですが、広告審査手続きに欠陥があったことは明らかです。こうした内容の広告が掲載され、読者の手元に届けられてしまったことは極めて遺憾であり、読者とユダヤコミュニティーの皆様に深くおわびいたします。

 もとより、産経新聞社はナチス・ドイツによるホロコーストを許しがたい憎むべき犯罪ととらえておりますし、いわゆる謀略史観的考えにくみするものではありません。サイモン・ウィーゼンタール・センターの抗議を真蟄に受け止め、誠実に対応するとともに厳正に対処します。

(産経新聞 2014-12-6)

サイモン・ウィーゼンタール・センター
 サイモン・ウィーゼンタール・センター(英:Simon Wiesenthal Center、略称SWC)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州のロサンゼルスにある寛容博物館(英語版)を運営する組織。

 同センターはホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の記録保存や反ユダヤ主義の監視を行い、国際的影響力を持つ。米ロサンゼルスに本部を置き、エルサレム・ニューヨーク・トロント・マイアミ・シカゴ・パリ・ブエノスアイレスなどで事務所を運営。民間の寄付で運営される非政府組織で、2012年は2億6000万ドルの寄付を受けた。
(Wikipedia)

※去過には「マルコポーロ事件」(1995年2月)がある。



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