サウジアラビア、女性の車の運転 解禁へ



 世界で唯一、女性による車の運転が禁止されている中東のサウジアラビアで、女性の運転が解禁されることになり、サウジアラビア政府としては社会の変化を国内外に印象づけたい狙いがあるものと見られます。
 サウジアラビアの国営通信は26日夜、サルマン国王が女性に対して車の運転免許証を発行できるよう法律を改めることを決めたと伝えました。決定によりますと来年6月下旬までに法律とともに関係する規制の見直しを行い、女性の車の運転が解禁されるということです。

 イスラム教の厳格な解釈や伝統的価値観に基づく統治が行われてきたサウジアラビアは世界で唯一、女性による車の運転が禁止されている国で、女性の社会進出の遅れを象徴するものとして欧米などから批判の対象になってきました。
 こうした中、サルマン国王や息子のムハンマド皇太子は経済改革の一環として石油に依存しない社会の構築を目指す中、女性の社会進出を推し進めていて、先週末も女性のスポーツスタジアムへの入場が初めて許可されています。

 サウジアラビア政府としては、長年批判の対象となってきた女性の運転を解禁することで、経済改革に伴う社会の変化を国内外に印象づけたい狙いがあるものと見られます。

女性活動家「雨は1滴から始まる」
 女性の運転禁止をめぐっては、2013年にサウジアラビア国内で女性たちが車を運転する権利を求めて一斉に車を運転する抗議行動が行われました。呼びかけ人の1人で、女性による車の運転の解禁を求めてきたサウジアラビアの女性活動家、マナル・シャリフさんは今回の決定について、自身のツイッターに「地球上で最後の国が女性に運転を許可した。私たちはやった。雨は1滴から始まる」などと投稿し歓迎しました。

米国務省報道官「正しい方向の重大な一歩だ」
 アメリカ国務省のナウアート報道官は26日の記者会見で、「サウジアラビアの女性たちがアメリカと同じように運転できるようになるのならとてもうれしい。サウジアラビアにとって、正しい方向の重大な一歩だと思う」と述べ、サウジアラビアにおける女性の権利向上の動きを歓迎しました。
(NHK NEWS WEB 2017-9-27)



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