日本神話



日本神話とは
 日本の国の誕生と神々が語られていて、太安万侶が編集した古事記、舎人親王が編集した日本書紀、その他多くの書物に記されている。書物によって若干、神の名前や物語に違いが存在するが、その場合は日本最古の書籍とされる古事記の記述が尊重されることが多い。
 概ね、次のように物語が続いている。

1. 天地開闢
2. イザナギとイザナミの誕生
3. 国生みの物語
4. 黄泉の国の物語(天照大神の誕生)
5. 高天原の物語(天岩戸)
6. 出雲国の物語(八岐大蛇、大国主神)
7. 国譲り
8. 天孫降臨
9. 筑紫国の物語(海幸彦と山幸彦、神武天皇)

 ちなみに世界的には、一般に神話では人間は神が創った旨が描かれるが、こと日本神話においては神は人間を作っていない点が特徴的である。従って、日本人がどこから来たのかは、神話には描かれていない。

日本神話のあらすじ
【世界の始まり】
 世界の最初に高天原で、別天津神・神世七代という神々が生まれた。これらの神々の最後に生まれてきたのが伊弉諾尊・伊弉冉尊である。

【伊弉諾尊 と伊弉冉尊】
 イザナギ・イザナミは「葦原中国」に降り、結婚して「大八洲」と呼ばれる日本列島を形成する島々を次々と生み出していった。さらに、さまざまな神々を生み出していったが、火の神カグツチを出産した際にイザナミはカグツチの火にホト(性器)を焼かれたのがもとで病となり死んでしまい、出雲と伯耆の境の比婆の山(現:島根県安来市)に埋葬された。イザナギはカグツチを殺し、イザナミをさがしに黄泉の国へと赴く。

 しかし、黄泉の国のイザナミは既に変わり果てた姿になっていた。これにおののいたイザナギは逃げた。イザナギは黄泉のケガレを嫌って禊をした。この時もさまざまな神々が生まれた。左目を洗ったときに生まれた神が天照大神(日の神、高天原を支配)・右目を洗ったときに月夜見尊(月の神、夜を支配)・鼻を洗ったときに素戔嗚尊(海原を支配)が成り、この三柱の神は三貴子と呼ばれ、イザナギによって世界の支配を命じられた。

【天照大神と素戔嗚尊】
 スサノヲはイザナミのいる根の国へ行きたいと泣き叫び、天地に甚大な被害を与えた。そして、アマテラスの治める高天原へと登っていく。アマテラスはスサノヲが高天原を奪いに来たのかと勘違いし、弓矢を携えてスサノヲを迎えた。スサノヲはアマテラスの疑いを解くために各の身につけている物などで子(神)を産み、その性別によりスサノヲは身の潔白を証明した。

 これによりアマテラスはスサノヲを許したが、スサノヲが高天原で乱暴を働いたためアマテラスは天岩戸に隠れた。日の神であるアマテラスが隠れてしまったために太陽が出なくなってしまい神々は困った。そこで、計略でアマテラスを天岩戸から出した。スサノヲは下界に追放された。

【出雲神話】
 スサノオは出雲の国に降り立った。そして、害獣である八岐大蛇(八俣遠呂智)を切り殺し、国津神の娘と結婚する。スサノヲの子孫である大国主はスサノヲの娘と結婚し、少彦名命と葦原中国の国づくりを始めた。
 出雲神話とはいうものの、これらの説話は『出雲国風土記』には収録されていない。ただし、神名は共通するものが登場する。

【葦原中津国平定】
 天照大神ら高天原にいた神々(天津神)は、葦原中国を統治するべきなのは天津神、とりわけアマテラスの子孫だとした。そのため、何人かの神を出雲に使わした。大国主の子である事代主・建御名方が天津神に降ると、大国主も大国主のための宮殿建設と引き換えに、天津神に国を譲ることを約束する。この宮殿は後の出雲大社である。
 アマテラスの孫である瓊々杵尊が葦原中国平定を受けて日向に降臨した。ニニギは木花開耶姫と結婚した。

【山幸彦と海幸彦】
 ニニギの子である海幸彦・山幸彦は山幸彦が海幸彦の釣り針をなくしたことでけんかになった。山幸彦は海神の宮殿に赴き、釣り針をみつけ、釣り針を返した。山幸彦は海神の娘と結婚し彦波瀲武__草葺不合尊という子をなした。ウガヤフキアエズの子が神日本磐余彦尊(またはカンヤマトイワレヒコ。後の神武天皇)である。

【神武天皇】
 カムヤマトイワレヒコは兄たちと謀って大和を支配しようともくろむ。ヤマトの先住者たちは果敢に抵抗し、カムヤマトイワレヒコも苦戦するが、結局、天孫のカムヤマトイワレヒコの敵ではなかった。カムヤマトイワレヒコは畝傍橿原宮の山麓で即位する。これが初代天皇である神武天皇である。
 神武天皇の死後、神武天皇が日向にいたときの子である手研耳命(たぎしみみ)が反乱を起こす。カムヌナカワミミがそれを破り、皇位を継ぐ。

【欠史八代 】
 カムヌナカワミミは綏靖天皇となるが、綏靖天皇以下の8代の天皇の事跡は伝わっていない。



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