ヒンズー教

近代の指導者

「オーロビンド・ゴーシュ」
 オーロビンド・ゴーシュ(1872年8月15日〜1950年12月5日)は、インドの反英独立運動家、宗教家、霊性指導者、ヨーガ指導者、インド哲学者、詩人、神秘思想家、インテグラル・ヨーガの創始者。彼の支持者は、彼を神の化身とみなした。

 オーロビンドは、イギリス支配から脱却するためのインドの初期の自由化運動のリーダーのうちの1人としての短い政治キャリアののち、「神的な生命」に相当する「スーパーマインド(超精神、超心)」と呼ばれるハイレベルの霊的意識を確立することによって地上での生活の進化を促進することを目的とした、「インテグラル・ヨーガ」と呼ばれる新しい霊性の道の実践と進化を主唱した。

 多くの霊的な詩を含む文学作品をはじめ、古代インドの聖典の広範囲な解説と翻訳を含むインドの文化について、社会的・政治的発展に関して、彼の霊性哲学と実践に関して、数多くの著作を英文で残した。

「マハトマ・ガンディー」
 モーハンダース・カラムチャンド・ガーンディー(1869年10月2日〜1948年1月30日)は、インドのグジャラート出身の弁護士、宗教家、政治指導者。

 マハトマ・ガンディー(=マハートマー・ガーンディー)として知られるインド独立の父。「マハートマー」とは「偉大なる魂」という意味で、インドの詩聖タゴールから贈られたとされているガンディーの尊称である(自治連盟の創設者、アニー・ベザントが最初に言い出したとの説もある)。また、インドでは親しみをこめて「バープー」(「父親」の意味)とも呼ばれている。日本語では「ガンジー」とも表記される。

 1937年から1948年にかけて、計5回ノーベル平和賞の候補になったが、受賞には至っていない。ガンディーの誕生日にちなみ、インドで毎年10月2日は「ガンディー記念日」(ガーンディー・ジャヤンティー)という国民の休日となっており、2007年6月の国連総会では、この日を国際非暴力デー(英語版)という国際デーとすることが決議された。

「シュリーラ・プラブパーダ」
 アバイ・チャラナラヴィンダ・バクティヴェーダンタ・スワミ・プラブパーダ(1896年9月1日〜1977年11月14日)は、ヒンドゥー教系新宗教団体、クリシュナ意識国際協会の創設者。同団体では、シュリーラ・プラブパーダと呼ばれる。

 『バガヴァッド・ギーター』を中心としたゴウディヤ・ヴァイシュナヴァの師弟継承による弟子の育成、神の知識を与える信仰である。クリシュナを最高人格主神と崇め、「クリシュナ意識」を高めることを説く。クリシュナ意識とは、神と自分がどのように繋がっているのか、自分は何のために生きているのかを知ることである。感覚的、物質的な満足は儚いものであり、道徳を向上させるだけであっても、宗教儀式を行うだけであっても十分ではない。本当の幸福を得るためには、クリシュナを愛するほかない、としている。
 
 信徒たちは、菜食主義(ベジタリアン)ではなく、クリシュナンであると言っている。無論アヒンサーの精神から食べるために動物を殺すことに極めて否定的であるのだが、クリシュナが食べるものを人間はお下がりとして食べるのであるという。神は、そもそも太古から人間が動物を食べるように創造していないという。野菜にも命はあるという反論者に対して、人間は最小限、食べるものが必要であり、だからこそ、バガヴァッドギーターに書かれてあるとおり、神が許可する食物を調理して捧げてから食事をするのであるという答えである。

 『バガヴァッド・ギーター』を五千年前に書かれたものとし、ヴェーダや他のヒンドゥー聖典を歴史的事実とするものである。キリスト教、イスラム教といった他宗教の価値も認めている。ただし、宗教は神の法律であり、神への愛を捧げることとする定義から外れるなら、認めることはない。

 また、無神論者である科学者には容赦がない。プラブパーダは進化論を否定し、チャールズ・ダーウィンを悪者と呼んでいる。この姿勢はクリシュナ意識国際協会に受け継がれている。

「ラーマクリシュナ」
 ラーマクリシュナ(本名ガダーダル・チャットーパーディヤーエ、1836年2月18日 〜1886年8月16日)はインドの宗教家。「シュリ・ラーマクリシュナ・パラマハンサ」と呼ばれるが、「シュリ」は「聖」に当たる称号で、ラーマクリシュナはインドの神、ラーマとクリシュナの合成で、修行者・ヨーギー(ヨーガ行者)としての名である。パラマハンサはヒンドゥー教の神話に登場する霊性の象徴である空想上の天上の聖なる白い鳥を意味する、聖者に対する尊称。

 ラーマクリシュナは近代の代表的聖人と呼ばれ、肖像画には光背を持つ姿で描写される。イギリスの植民地支配が経済の貧困を強め、西洋から流入する文化によって伝統文化が蔑まれた19世紀のインドにあって、インド伝統の豊かな精神文化を体現し、インド人に誇りを取り戻させ希望を与えたという。

 思想は強力な神秘主義と宗教多元論およびシャンカラのアドヴァイタ・ヴェーダーンタ(不二一元論)哲学を根本としている。現象世界はマーヤー(幻影)でありブラフマン(神)だけが実在とし、解脱の手段は知識であるという。

「ラマナ・マハルシ」
 シュリー・ラマナ・マハルシは南インドの聖者。(1879年12月30日〜1950年4月14日)解放に到達するための直っすぐな道として真我の探求(アートマ・ヴィチャーラ)を推奨した。アートマンは「真我」を、ヴィチャーラは「探求」を意味する。

 マハルシの教えは、シャンカラの不二元論(アドヴァイタ・ヴェーダーンタ)にたどれるが、自身は何らかの思想や哲学を教えているという思いはなく、ただ自らの体験を語っていた。難解な聖典の教えを、その本質を把握して明確に説明することができ、数多くの質問者の疑問を晴らした。
 しかし、言葉での教えより、マウナ(沈黙、静寂)こそが最も力を持っているとたびたび語っている。ここでの、マウナは単に言葉を発っさないことではなく、心がその源(真我)に溶けこみ、別に存在していない在り方を意味している。

 マハルシは、マウナを「永遠の雄弁」であると表現し、言葉を発することはその力の妨げになると述べている。実際に、マハルシに会いに来た人が、言葉を交わすことなしに、目と目を合わせるだけで、心が落ち着き、今まで味わったことのない幸福感に包まれたというような話が、信奉者らのマハルシとの思い出を収録した『FACE TO FACE WITH SRI RAMANA MAHARSHI』などの書籍の中でよく語られている。

 「私は誰か?」という問いかけによる実践的な真我の探求(アートマ・ヴィチャーラ)を推奨した。肉体を自分であると誤ってみなしているエゴである「私」の根源を探求することで、「私」が根源である真我に溶け込み、消え、純粋な意識であり絶対的実在の真我のみが残る。これは、ヴィチャーラ・マールガ(探求の道)またはジニャーナ・マールガ(知恵の道)と呼ばれる。

 この探求は、常に自らが真我であることに気づくために行うものであり、新たに真我を作りだしたり、真我を獲得するということではない。ただ、真我を覆い隠している障害物である「私とは肉体である」という思いを核とする様々な思いを除くだけである。マハルシは、自らが真我であるのに真我であると気づいていないことを、不可思議の中の不可思議と表現している。

「ラーダークリシュナン」
 サルヴパッリー・ラーダークリシュナン(1888年9月5日〜1975年4月17日)は、インドの政治家、哲学者。第2代大統領。近代インドを代表する思想家でもある。業績としては、インド哲学と西洋哲学を比較して共通点を見出したこと、英語圏の社会にインド哲学を広めたことが挙げられる。誕生日の9月5日は「教師の日」としてインドの記念日となっている。
 マドラス基督教大学で教育を受け、1906年に哲学修士の学位を取得。1908年から1912年までマドラスのプレジデンシー・カレッジで教鞭を執る。

「ヴィヴェーカーナンダ」
 ヴィヴェーカーナンダ(1863年1月12日〜1902年7月4日)はインドの宗教家。ヨーガ指導者。ヨーガとヴェーダーンタ哲学の霊的指導者としてインド及び西側諸国の人々に影響を及ぼした。彼に親しみを持つものは彼を「ナレン」と呼んだ。
 彼はラーマクリシュナの主要な弟子であり、ラーマクリシュナ僧院とラーマクリシュナ・ミッションの創設者である。彼は師の教えを知性によって体系化し、世界に通じる言葉として発信した。

「シャンカール」
 シュリ・シュリ・ラビ・シャンカール(1956年5月13日〜 )は、世界中で活動する人道的・精神的指導者であり、平和活動家、アート・オブ・リビング財団の創立者。現在57歳。
 1956年5月、インドの南、タミル・ナードゥ州クンバコーナムの村にあるバラモンの家に生まれる。17歳で現代物理学とヴェーダの学位を修める。両親の勧めでマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーに師事し、22歳で独立する。

 1982年、トンガ河の側で10日間の瞑想の後、スダルシャンクリア(「正しく認知された浄化法」の意)という呼吸法を教え始めた。1986年には当時のインドの首相から「ヨガ・シロマニ」の称号を受ける。
 アート・オブ・リビング財団(Artofliving Foundation、NGO)の創立者。世界152カ国で活動がおこなわれ、スダルシャンクリヤ呼吸法のほか、サハジ・サマディーという瞑想法やヨガも指導している。


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