イスラム教

5.宗教行事・祭礼
「断食」
 イスラム暦9月(ラマダン月)は、ムハンマドが神から最初の啓示を下された月で、そのことへの敬意を表す行為が「断食」です。太陽暦とずれるため、9月が真夏や真冬になることもあります。30日間、日の出から日没までの間は一切の食を断ちます。日が沈んでから夜明けまでの間は、飲食はかまわない。

「大巡礼」
 メッカにあるカーバ神殿には年間200万人を超えるムスリムが巡礼に訪れます。一生に一度はカーバ神殿に巡礼することが神聖な義務になっています。イスラム暦12月の8日から10日までの3日間に行われます。(その期間以外で随時個々に行われている巡礼を「ウムラ」という)
1.イフラーム=7日までにメッカに到着し、全身を清め巡礼服を着用します。
2.タワーフ=カーバ神殿の周囲を反時計回りに7回めぐります。
3.サーイ=カーバ神殿に隣接する小高い丘のサファーとマルワの間を3往復する。走るか早足でなけらばなりません。
4.ミナーでの宿泊=8日の朝、十数キロ離れたミナーの谷に行く。ここで宿泊します。
5.ウクーフ=9日、アラファトにあるラフマ山に登り「われ神の御前にあり」と唱え、日没まで祈りを捧げます。
6.マグリブとイシャーの礼拝=ムズダリファに戻って礼拝し、小石を投げて悪魔払いをします。
7.犠牲=10日に財力のあるものは動物の生け贄を捧げます。
8.タワーフ=最後にカーバ神殿に戻って再びタワーフを行い、巡礼が完了です。

「イード・ル・フィトル」(断食明けの祭)
 ラマダンの終了を祝う祝日。イード・アル・フィトルと表記されることもあります。また、単にイドと略されることもあります。祭日のことをアラビア語で「イード」といいます。

「イード・ル・アドハー」(犠牲祭)
 イード・ル・アドハー(犠牲祭)はセム族一神教の中で有名なアブラハムの話に由来します。最初の預言者であるアブラハムが自分の子イスマイルを犠牲にささげるように神に命じられ、つらい気持ちながらまさに息子を犠牲にしようとした時に、神が息子の変わりに子羊を犠牲にすればよいとしたという故事です。
 巡礼月の行事として、ハッジの間に巡礼者が犠牲を捧げるのですが、巡礼に参加しないムスリムも動物の一匹を犠牲に捧げて祝う。なお、動物は羊のほかに山羊やラクダでもよい。





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