イスラム教

8.聖地
「メッカ」
 メッカは、イスラム教の開祖である預言者ムハンマドの生誕地であり、クルアーン(コーラン)において預言者イブラーヒーム(アブラハム)とその子のイスマーイール(イシュマエル)が建立したとされるカーバがある。
 カーバ神殿は、もとはイスラーム以前(ジャーヒリーヤ)におけるアラブ人の宗教都市であったメッカの中心をなす神殿であったとされる。「カーバ」とはアラビア語で「立方体」を意味し、形状はその名の通り立方体に近い(縦にやや長い)。「黒石」は、
カーバの東隅に据えられた要石である。サウジアラビア政府は、1980年代に当市の名前の公式な英語訳を、西洋人が以前から一般に用いてきた綴りである「 Mecca 」から「 Makkah 」に改めた。

「メディナ」
 メディナは、アラビア半島の都市で、メッカに次ぐイスラームの第2の聖地である。預言者ムハンマドの墓を有する「預言者のモスク」が町の中心にあり、マッカとあわせて「二聖都(アル・ハラマイン)」と称される。

「エルサレム」(岩のドーム)
 イスラム教にとっては、エルサレムはムハンマドが一夜のうちに昇天する旅を体験した場所とされる。コーランは、メディナに居住していた時代のムハンマドが、神の意志により「聖なるモスク」すなわちメッカのカーバ神殿から一夜のうちに「遠隔の礼拝堂」すなわちエルサレム神殿までの旅をしたと語っている(17章1節)。
 伝承によると、このときムハンマドはエルサレムの神殿上の岩から天馬に乗って昇天し、神の御前に至ったのだという。この伝承は、ムハンマドの死後から早い時期にはすでにイスラム教徒の間では事実とみなされており、神殿の丘におけるムハンマドが昇天したとされる場所にはウマイヤ朝の時代に岩のドームが築かれた。また、丘の上には「遠隔の礼拝堂」を記念するアル=アクサー・モスクが建設され、聖なる場所と見なされている。


カーバ神殿

預言者のモスク

岩のドーム



 




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