キリスト教


11.その他
「イエスはラディカルな運動家?」
 イエスが生まれた頃のユダヤはローマの属領で、ユダヤの隣国イドマイヤ出身のヘロデがユダヤの王になっていました。イエスが育った北のガリラアヤ地方は、血の気の多い急進派が多く、反ローマ主義者のたまり場でした。イエスもまたローマやヘロデに反感を持ち、成長するにしたがいリーダーとしての頭角を現したに違いありません。イエスはローマへの反逆を企てたために処刑されたラディカルな運動家だったのかもしれない。

「イエスはエッセネ派?」
 エッセネ派の持っていた「神殿によらずして神に仕えることができる」という発想はキリスト教の発生に影響を与え、神殿崩壊後のユダヤ教を支える思想的な基礎になった。
 新約聖書には、ファリサイ派とサドカイ派はあらわれるが、それらとならんで当時の主要なグループであったエッセネ派が一切登場しないため、洗礼者ヨハネやイエス・キリストが、エッセネ派に属していた、あるいは関係グループに属していたという説もある。
(ウィキペディア(Wikipedia))

「本当に愛の宗教?」
 キリスト教はほんとうに「愛の宗教」なのでしょうか。キリスト教の輝かしい歴史の裏側には、「十字軍」「魔女狩り」「宗教戦争」「中南米の略奪」「インディアンの悲劇」「ユダヤ人迫害」という歴史があり、異教徒への迫害、異端排除の残酷さに言葉を失います。

「十二使徒」
 マタイ,マルコ,ルカの共観福音書の記述によると,イエスはガリラヤでの宣教活動の終わりごろに,弟子のなかからとくに12人を選び,悪魔払いと病気を癒す権能を与えて福音宣教に派遣した。
 「マタイの福音」10章2節4と「マルコの福音」3章16節18では,シモン=ペテロ,アンデレ,ゼベダイの子ヤコブとヨハネ,ピリポとバルトロマイ,トマスとマタイ,アルパヨの子ヤコブとタダイ,熱心党のシモンとイスカリオテのユダがあげられている。

 「ルカの福音」6章16節と「使徒行伝」1章13節では,タダイの代わりにヤコブの子ユダが出てくるが,同一人物と考えられている。イエスを裏切って自殺したイスカリオテのユダの欠員は,くじ引きで選ばれたマッテヤによって埋められた(「使徒行伝」1章23節26)が,その後の欠員補充はされなかった。裏切者のユダ以外は全員がガリラヤ人だった。
 十二使徒の布教活動に関する信頼できる情報は少ないが,教会伝承によると,地中海世界のみならずペルシア(マタイ)やインド(トマス)にまで足跡を残し,その多くが殉教死したとされている。

「天使たち」
 旧約・新約聖書のなかにさまざまな天使が登場しますが、実際に名前のついた天使は、ミカエル、ラファエル、ガブリエルの3人です。ガブリエルはメッセンジャー(マリアへの受胎告知)、ミカエルは軍隊長、ラファエルは人を癒し若者を保護しているといいます。


ミカエル

ガブリエル

ラファエル



「魔女と産婆」
 『魔女の槌』(魔女裁判の手引き書)は「教会にとって産婆ほど有害なものはない」と説きました。魔女狩りの最初のターゲットが「産婆」たちだったことはよく知られています。13世紀にイスラム世界から医療教育が伝わり、医療の専門職が男性によって独占されると、産婆たちは真っ先に火あぶりにされました。(もっと読む)

ペストが中世を終わらせた
 「世界史を動かす」という形容がふさわしい感染症はペストであろう。ビザンチン帝国における540年の「ユスチニアヌスの疫病」と呼ばれたペストの大流行で古代が終わり中世となった。1096年から1270年にわたる十字軍が欧州にクマネズミを呼び込んでペスト流行の下地を作った。なぜならこの種のネズミに寄生するノミの腸管にペスト菌が潜んでいるからである。そして英仏百年戦争の最中、1348年からの50年間、欧州は「黒死病」に襲われた。すさまじい人口の減少を引き起こし結果的に農奴解放がおこなわれ、ペストが中世を終わらせたのである。また、教会や信仰が黒死病に対して無力であったため、教会の権威は落ち、後世の宗教改革へつながってゆく。(もっと読む)


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