キリスト教


3.教典
 旧約聖書(Old Testament)と新約聖書(New Testament)からなる。英語の音訳から、バイブル(the Bible)とも言う。バイブルは biblia (書物の意、複数形)から来た語で4世紀ごろからそのように呼んだ。
 キリスト教では、イエス・キリスト以前の預言者と神の契約、つまりユダヤ教の聖書を「旧約聖書」と言い、キリスト以降のキリストの言葉や奇蹟を弟子達がキリストの死後書いたものを「新約聖書」と称している。「旧約」「新約」の「約」とは、神との契約のことで、2世紀頃からキリスト教徒の間で呼ばれ始めた。

 一般的に誤解されている知識として、『「新約」はユダヤ教の神との契約を破棄して、神と新たに契約したのであり、「旧約」聖書は教典の役割を果たさないものである』と思われているようだが、例えば新約聖書マタイ伝の一節「天と地が消え失せるまで、すべてが成し遂げられるまでは、律法から一点一画も消えることは無い」(5:18)に見るように、キリスト教においても旧約聖書は決して無視できない書なのである。

「旧約聖書」・・・ユダヤ人の歴史。ヘブル語で紀元前12世紀から紀元前2世紀にかけて書かれた。
 創世記、出エジプト記などの歴史書、ヨブ記、詩篇などの教訓書、イザヤ書、エレミヤ書などの預言書

「新約聖書」・・・イエスと弟子たちの言行録。ギリシャ語で西暦50年から150年にかけて書かれた。
 マタイ・マルコ・ルカ・ヨハネ福音書、使徒言行録、パウロなどの書簡集、ヨハネ黙示録

「聖書の構成」


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