西洋思想
1.古典古代の思想
●神話的世界観→哲学の誕生(自然哲学・黄金時代・ヘレニズム期)
神話的世界観:ギリシャ神話と英雄の活躍
自然哲学(イオニア植民市)
タレス,ヘラクレイトス,ピタゴラス,デモクリトスの活躍
●黄金時代(アテネ・ポリス)
背景 古代民主制→衆愚政治
ソフィスト(プロタゴラス),ソクラテス,プラトン,アリストテレス
●ヘレニズム期(アレクサンドリア)
背景 ポリスの崩壊と世界帝国の形成
エピクロス(エピクロス学派),ゼノン(ストア学派)
2.中世思想
●キリスト教神学→「哲学は神学の侍女」
古代末期:正統派教義(三位一体説)の確立と教父哲学(アウグスティヌス)
西欧中世:教義の体系化とスコラ哲学(アウグスティヌス)
3.近世の思想
●神の神学から人間の哲学へ
ルネサンス:古典古代の再発見(←イスラム世界)
宗教改革:カトリック教会からの解放
16世紀に起こった宗教改革は,思想界を支配していたキリスト教の影響を崩壊させた。これを受け、思想・哲学の領域でも神の神学から人間の哲学へという大きな転換がおこった。このような近世の哲学の新しい潮流は,一般にイギリスで発達した経験論と大陸諸国で発達した合理論という2つの流れに分類される。当時成功をおさめた自然科学的思考をモデルとした新しい哲学の到来。
●イギリス経験論 ベーコン,ホッブズ,ロック,バークレー,ヒューム
●大陸合理論 デカルト,スピノザ,ライプニッツ
4.近代の思想(独・仏)
「啓蒙」とは「闇を光で照らす」という意味。
イギリス経験論のロックにはじまり,フランス百科全書派の思想家に受け継がれた。イギリス・フランスの啓蒙思想は名誉革命,フランス革命の理論的支柱としての役割を果たした。フランス啓蒙思想は,ルソーを介してドイツのカントにも影響をおよぼした。
●フランス啓蒙思想(イギリス啓蒙思想→フランス啓蒙思想→ドイツ啓蒙思想)
百科全書派(ディドロ,ダランベール,ヴォルテール)の活躍→ルソー
●ドイツ観念論
カント:ドイツ啓蒙思想の完成
認識論のコペルニクス的転回,人格と道徳理論(定言命法)
ヘーゲル:弁証法の確立
5.近代の思想(英・米)
ベーコンにはじまったイギリス哲学(経験論)は,英国本国では,資本主義の発展に呼応して功利主義哲学を生み出し,さらに新大陸ではプラグマテイズム(実用主義)という形をとる。またスコットランドの思想界では反功利主義的な道徳哲学から出発したアダム・スミスが自由主義的な経済学(古典派)を生み出した。
●功利主義
ベンサム:量的功利主義
ミル:質的功利主義
●アダム=スミス:スコットランド啓蒙思想 古典派経済学
●プラグマティズム:デューイの道具主義
6.現代の思想
ヘーゲルによって完成された近代哲学は,その観念論的性格を唯物論的に転換した科学的社会主義と,普遍主義・理性主義を批判する実存主義へと分岐。戦後のフランスでは,実存主義を克服しようとする構造主義,ドイツではナチス批判を展開したフランクフルト学派の思想が影響力をもった。
●近代思想(資本主義・ヘーゲル的合理主義哲学)の批判
社会主義:資本主義批判→マルクス=エングルスによる科学的社会主義
実存主義:ヘーゲル批判→実存の非合理性
キルケゴール,ニーチエ,ハイデガー,ヤスパース,サルトル
【ポストモダンの思想】
第二次世界大戦以降,思想・哲学の中心はドイツからフランスへ移行。戦後から1960年代までは,ドイツ思想から多くを吸収したサルトルの実存主義が注目をあびたが,異議申し立て運動の挫折以降は,構造主義という新しい思潮が主流となる。
●構造主義:「実存」の批判→「構造」の強調
レヴィ=ストロース,フーコー,アルチュセール,バルト,ラカン
●ポスト構造主義:「構造」の批判→「構造」の流動性を強調
ドゥルーズ,デリダ
●フランクフルト学派
西洋的啓蒙主義の批判→「批判理論」の展開
(WEB:独学ノート)
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