世界基督教統一神霊協会(統一教会)
開 祖
 文鮮明(ぶん せんめい、ムン・ソンミョン)
設 立
 1954年
崇拝対象
 キリスト?
経 典
 原理講論、天聖経
本拠地
 ニューヨーク(かつては韓国のソウル)
信者数
 150万人


開祖=文鮮明

本部=ソウル

シンボル


1.概略
  世界基督教統一神霊協会は、韓国発祥のキリスト教系新宗教団体。日本では一般に、統一教会または統一協会の名前で、韓国では「統一教(トンイルギョ)」の名前で知られる。ただし一般のキリスト教会はキリスト教の一教派とは認めていない。

 教祖(創始者)の文鮮明は、神の創造目的は神の三大祝福による天国実現だと考え、神の国を実現しようとした。しかし、この主張をキリスト教会が受け入れなかったとして、キリスト教の代理として世界基督教統一神霊協会が1954年5月1日韓国ソウルに創設された。統一教会では、文鮮明は聖書に預言された再臨のイエス・キリスト(メシア)とされ、全人類の父母の立場にあるということから、信徒は「お父様」等と呼ぶ。 
 世界本部はニューヨーク(かつては韓国のソウル)にあり、世界193か国に支部(協会)がある。

 2006年現在、教団は「世界 190余ヶ国に宣教師を送り、150万名の信者がいる」としている。 過去の年代における信徒数については、(1995年)12月31日現在の文化庁統計によれば、日本の信徒数は47万7000人(ただし、文化庁統計の宗教団体信者数統計は各教団からの申告に拠っており、申告された信者の合計数が2億人を超えるなど実際の宗教信者数とは大幅なズレがある)。

 韓国には日本から韓国人との祝福(結婚)等で韓国に渡った人だけでも5000人いる。統一教会の歴史は韓国が一番長く、統一教会信者の子女だけでも10万人は下回らない。信徒数は、韓国全体で数十万人にはなると思われる。アメリカにも一万人はいると言われている。

 1974年10月、日本の福音派の機関である日本福音同盟は統一教会(統一協会)が異端である(キリスト教ではない)とする声明を発表した。アメリカのキリスト教会では、1980年代に、キリスト教会の連合体は統一教会(統一協会)はキリスト教ではないと決定した。

2.開祖
【文鮮明】(ぶん せんめい /ムン・ソンミョン 1920年1月6日〜  )
 文は日本統治時代の朝鮮で農家の次男として生まれた。数え年16歳のときにイエス・キリストから自分が果たせなかった神の目的を果たす使命を託されたと主張している。すべての宗教の中心であるキリスト教徒が自分を再臨のキリスト(メシア)として受け入れれば、7年間で地上天国を完成させる機会が第二次世界大戦後の時期にあったが、当時のキリスト教徒の代表たちが文を受け入れずにその歴史的な機会を失ったため、キリスト教に代わるものとして設立したのが「統一教会(統一協会)」であるとしている。

 教団の目的は、夫は妻の為に妻は夫の為に、親は子の為に子は親の為にという、為に生きる真の愛で、社会の基本単位である真の家庭を建設することにより、神の理想とする地上天国を実現することであるとする。そのために、様々な分野において活動を展開している。 

3.歴史
■1955年〜
 韓国においては、教団設立の翌年(1955年)に、韓国の名門女子大である「梨花女子大学校」の教授や学生らが多数入教したことが騒動となり、批判され、教勢が後退した。当初大学校側が宗教迫害だとマスメディアから批判を受けていたのに、後に教団に批判的な報道に変わったのは、大学校幹部に当時の韓国政府の高官の親族がいたことから、政治家からマスメディアに圧力がかかったためだという指摘がある。

 翌1956年、当時、まだ国交のなかった日本での伝道のため、宣教師を密入国させた。1960年代初めには、立正佼成会の庭野日敬会長(当時)の指示で統一教会(統一協会)の教えを学んでいた立正佼成会の青年部の信者50名ほどが統一教会(統一協会)に転じ、2年後に日本の会長になった久保木修己をはじめ、後に教団幹部となる者が出た。

 政財界とも強い結びつきがあり、東西冷戦時代の1960年代後半に、教団は反共主義の政治団体、「国際勝共連合」を韓国と日本で設立。神仏や人間の霊性を否定する共産主義を神と人類の敵として徹底的に批判し、それぞれの国の与党や保守勢力を支援し、関係を深めた。

■1970〜
 1970年代からは、文はアメリカに居を構えて、大規模な講演会を幾たびも開催した。日本から渡米した信者らも伝道と経済活動を活発に行った。政治的には共和党を、自ら創刊した保守系新聞『ワシントン・タイムズ』などのマスメディアで一貫してバックアップし、政界を初め、各界との関係を深めてきた。

 しかし、リベラル派からの反対も受け、更に、文は脱税の罪で1年余りの懲役刑を受けた。文はアメリカから出国すれば懲役刑を免れることができたが、出国せずアメリカにとどまった。文の脱税に関して教会側は宗教弾圧による冤罪であると主張している。その後、アメリカの諸宗教団体が、文の脱税容疑に対し、信教の自由の侵害、宗教弾圧であると抗議した。

■1980〜
 1980年代には「日韓トンネル」や中国において自動車工場を作るプロジェクトに対し、信者達が多額の献金をしたと言われている。また、文が長年の悲願であると公言する朝鮮半島の「南北統一」へ向けて、民団や朝鮮総連など、在日韓国・朝鮮人への働きかけも行ってきた。
 
■1990〜
 1990年代に入ってからは、アメリカで収監されたことで、日本をはじめ文が入国できない国での運動を進めるために、妻の韓鶴子(ハン・ハクジャ)が表舞台に出るようになり、世界各地で講演を行っている。
 この頃から、教会活動に専念する献身者の制度が解消され、各自が故郷に戻って定職につき、親族へ伝道するように方針転換がなされた(内部では「還故郷」と呼ばれた)。

 1991年12月には北朝鮮を訪問。金日成主席(当時)と会談し、朝鮮半島の非核化宣言に合意し、国際原子力機関(IAEA)の核査察に調印するよう進言し、南北離散家族交流や経済支援等を約束した。同年12月末北朝鮮は朝鮮半島非核化共同宣言に調印し、翌年1月国際原子力機関(IAEA)の核査察協定に調印した。北朝鮮の国営ホテルの経営を任されるなど、教団と北朝鮮との関係が深まったため、警察、公安からも注視された。

 文が何代も前の先祖の因縁などを見抜いてカップルを決めるとされる「合同結婚式」はこの教団独自のものである。1992年の「3万組国際合同結婚式」に、歌手で女優の桜田淳子を始め、3人の有名人が参加することが公になり、マスメディアで大きく取り上げられ、統一教会(統一協会)の名前が広く知られることとなった。また、これを機に、教団への批判報道が多くなされた。翌1993年には前年の合同結婚式に参加した山崎浩子が婚約破棄と脱会宣言した。この1993年から1994年にかけ、教団は信者の士気と結束を高めるため、韓国の「修練所」に信者を集め、文自ら積極的に「修練会」を行った。

■1995〜
 1995年1月から韓国京畿道の清平(チョンピョン)修練所に信者を集め、悪霊を取り除く特別修練会が行われるようになり、難病、奇病、家庭不和に苦しむ人たちの治癒を行うようになったとしている。
 1997年のアジア通貨危機の影響を受けた韓国においては、韓国の統一グループの企業の多くが倒産したり、経営が危うくなった。この時、文は韓国政府に1000億ウォン(90億円相当)を寄付したといわれている。

 また南米に地上天国のモデルを作るとして、韓国を中心にするこれまでの方針を転換し、ブラジルに未開発の広大な土地を買い、ジャルジンに信者たちのための集団村を建て、夫婦で参加する修練会を行ったり、南米各地に女性宣教師を派遣した。また、文が再臨主であることを主張する予言の解説本を出したり、霊界の宗教者や政治家達が文をメシアと崇めているという「霊界通信」本を出している。

■2000〜
 2004年からは「人類の家族的な統一にはモンゴル(蒙古斑族)が重要な役割を果たす」として、モンゴルに関して運動を進めている。近年は韓国の有名観光地の開発を手がけているほか、2006年6月には韓国で「本殿聖地」という王宮を建てた。学校、病院、老人ホームなどが揃うこの地域一帯に、宗教と人種を超越した『平和村』を作る計画だという。
 文は高齢(92歳)になったこともあって、アメリカから韓国に戻り、公の場に出るのは控えてゆくという。

 教団は世界各国に進出しているが、日本の信者が最も多いと思われるが、マスメディアによる批判報道(特に『朝日新聞』と『文藝春秋』)や度重なる多額の献金要求の影響もあって、信者数は減少したといわれる。
 韓国、日本、アメリカにおいて、それぞれの与党を初めとした保守勢力との関係を築いており、教団関連の団体に著名な政治家や学者や宗教家などが参加したり、協力したりすることも多い。

■2008〜
 2008年下半期の金融危機は1997年のアジア通貨危機と同じく韓国の教団関連企業倒産の危機もあったが、ハーバード大経営学部を首席で卒業しアメリカで経営者としての実績を持つ文の4男、国進により黒字経営を続けており、韓国統一教会発展の推進力になっている。

 文国進は2005年より、アメリカから渡韓。独自に経営していた企業の実務的立場を離れ、統一グループ財団の赤字を、わずか2年間で黒字経営に転換させる。近年その経営手腕がマスコミから注目された。この影響により、韓国国内では7男亨進も韓国マスメディアから注目を浴びるようになり、文鮮明の自叙伝『平和を愛する世界人として』の販売部数を促進させている。

 文鮮明の後継者は、教団の青年団体「World CARP」(世界大学原理研究会)の会長などを務める三男の文顕進(ムン・ヒョンジン)が先頭になり、他の息子たちが、芸術・政治・宗教・経済など様々な分野に分かれて引き継ぐと見られていたが、2008年4月、教団の広報は中心となる宗教分野については7男の文亨進(ムン・ヒョンジン)が後継者になると公表した。

 2008年後半より、教団はいわゆる統一教会信徒の拉致監禁問題の解決を目指すと称する活動を全国規模で積極的に行っている。第3次4年路程が終わる2012年までに全ての摂理を完成させることで、2013年の陰暦(天暦)1月13日(グレゴリオ暦では2月22日)には「天一国」が実現するとしている。

4.経典
 教祖が書き、保管するのに苦労を重ねてきた『原理原本』が、他のすべての教典に優って重要であるとしている。 『聖書』よりもはるかに頻繁に使われる『原理講論』が教典であったが、2001年からは教祖が教義の内容をより詳細に語った説教を集めた『天聖経』が原理講論に肉を付けたより詳細な教典となるとされた。 

5.教義・崇拝対象
  教団の教義は「統一原理」と呼ばれ、神が世界を創造した目的や法則を述べた「創造原理」、人間の罪の起源を説いた「堕落論」、本来、神が創造しようとした世界を再建するための原理を説いた「復帰原理」の3部からなり、『聖書』では比喩や象徴で表されていた真理を明らかにしたものとされる。原罪清算こそメシアの使命であるとし、教団の救いに関する教えの核心はメシアによる「血統転換」であるとする。

 また、第三次四年路程が終わる2012年までの摂理完成と、それによる2013年1月13日の「天一国」実現を謳っている。文鮮明もこの日までに「私の責任を果たすだろう」という旨の発言をしており、そのために、韓国における21万財団(天福宮)の完成、文鮮明本人の自叙伝を各家庭や個人が430冊購入し普及させることが必須であるとしている。

6.活動・機関誌
■10分の3献金
 一部のキリスト教と同じく収入の10分の1を献金が奨励されて来たが、1990年代頃から収入の10分の3を献金をすべきとされたが、これは地上天国ができた時は、収入の10分の3を税金のような形で納めることにより他のほとんどの税金はいらなくなるということを意味するという信者もいる。

■訪問販売
 これまで、信者たちは「万物復帰」の教えの実践として、様々な経済活動をして来た。草創期はパンの耳を食べて、リヤカーを引いて廃品回収を行っていた。また街頭や個別訪問で花、ボールペン、高麗人参、ハンカチや化学雑巾、コーヒーなど様々な物を販売した。また、数名で「マイクロ隊」と呼ばれる隊を組み、マイクロバスやワンボックスタイプのライトバンに寝泊りしながら、全国を募金集めや珍味やハンカチ等の販売で回った。

 1970年代からは献身者を集団でマンション等に住みこませて、経済活動を行う「店舗」と呼ばれる拠点を全国的に作り、印鑑や高麗人参 茶(エキス)等を販売した。無償で教団に奉仕する献身者が大多数だった頃は、委託販売形式を利用して、帳簿上は信者に給料を支払ったことにするが、実際は毎月1万5千円ほどの小遣いだけを渡すというような方法で、組織的な脱税ともみなされかねないことを行ってきた。

■霊感商法
 元信者によれば、効能を謳って高麗人参を販売していたことが薬事法違反に問われ、販売に行き詰まっていた中で、高麗人参と、美術品としてはあまり売れなかった韓国の大理石壺の売り上げを上げるために、教義を使って売って行こうということになったことが霊感商法の始まりだという。

 1980年代初めから、占いなどを切っ掛けに、ゲストを「霊場」と呼ばれる会場に連れて行き、家系図などを鑑定しながら、霊能者を装った信者が聞き出した本人や家族の不幸の原因を先祖の因縁話を使って説明し、先祖が救われるとか、このままでは不幸なるなどと不安を煽り、法外な値段で壷、多宝塔などを買わせてきた。

 この商法を『しんぶん赤旗』が「霊感商法」と名づけて批判。『朝日ジャーナル』などのマスメディアで度々その被害や手口が報じられた。 国民生活センターや各地の消費生活センター等に多くの苦情が寄せられ、多額の金銭的被害を生んだこの商法は大きな社会問題となった。教団の関連施設などに、警察の捜査が及び、信者は証拠書類が渡らないように、逃げ回ったという。

 また「霊感商法」に関係した各地の販社は、設立後2〜3年で次々と解散し、遠隔地に住所移転したり、社名を変えたりした。また、この霊感商法の最盛期には「TV100」と言って、月に100億円を献金するようにとの文鮮明の指示があり、実際に何度か目標額を達成し、そのお金を韓国に送金していたという。

■定着経済
 「霊感商法」が社会的な問題になった1990年頃から、信者達は着物、貴金属、絵画、毛皮、高麗人参等の商品を展示会形式で販売するようになった。訪問販売や霊感商法などのその場限りの販売と違い、専門の会社の主催で定期的に販売を行なうため、「定着経済」と呼ぶ。また、これらの販売方法は「霊感商法」で行った方法を踏襲している。

 ゲストを連れて行った信者は商品を説明するトーカー(アドバイザー)の協力者となり、トーカーは席を外し、「タワー長」と呼ばれる現場の指揮者にゲストの状況を報告し、指示を仰ぐ。既に教団の教えを学んでいる信者も展示会に動員され、「この〇〇を買えばメシア(文鮮明)を受け入れることになる」「この〇〇を買えばあなたも家族も救われる」等と「霊感商法」と同様の説得をして購入させたりもした。

7.行事
■合同結婚式

 合同結婚式(ごうどうけっこんしき)は教団が主催する結婚式である。正式名称は「国際合同祝福結婚式」であるが、信者の間では「祝福」と呼ばれることが多い。教祖である文鮮明は人の性格、運命、長所、短所及び血統的因縁や課題まで見抜く力を持っているとされており、夫婦となるに相応しい男女を推薦するという。それは当人の欠点を補う相手であることに加え、先祖からの因縁や問題のすべてを清算できるという点で、最も相応しい相手を推薦するという。

8.施設・関連団体
■統一グループ
 教団は多くの企業を擁しているので、韓国では財閥の一つとみなされ、文鮮明は事業家としてのイメージが強いという。韓国では、系列企業は「統一グループ」と呼ばれており、文鮮明の親族がそれらの企業の幹部になっていることもある。日本では一時、キリスト教と称しながら「霊石愛好会」や「天地正教」といった仏教色の強い団体までも作っていた。

 近年はNGO、NPOなどのボランティア団体を通しての浸透を図っている。また学術的な団体も多く、それらがスポンサーになった会議などのはマスメディア界、政界、学会の著名人が参加する。

■勝共連合
 教団は1968年に韓国と日本で「国際勝共連合(IFVOC)」(通称「勝共連合」)という政治団体を組織。同連合は共産主義・社会主義をサタンの思想で神と人類の敵であるとし、それに代わる「勝共思想」の普及を第一の運動方針に掲げる。この思想を教育された者は、共産党と、その“系列”と看做した団体や左寄りに映る人物を反射的に攻撃する傾向がある。

 他には、スパイ防止法や青少年健全育成法の制定促進、憲法や教育基本法改正の推進、歴史や性教育を含む教科書問題などに取り組み、夫婦別姓やジェンダーフリー・人権擁護法・外国人への参政権付与には反対するなど保守的なスタンスをとる。
 勝共連合日本支部の設立には岸信介元首相の他、右翼活動家の笹川良一や児玉誉士夫なども加わり、反共を共通理念とする多くの右翼勢力が同連合と協調したとされる。他方、天皇を軽視する姿勢や他民族を選民とする教義などに疑念を抱き警鐘を鳴らす団体もあった。

9.著名人
■桜田淳子(1958年(昭和33年)4月14日〜 )
 日本の元女優、元歌手である。秋田県秋田市出身。サンミュージック所属(活動当時)。3児の母。
 1992年6月30日、5日前に山崎浩子が2か月後に行われる世界基督教統一神霊協会(統一教会)の合同結婚式に参加することを記者会見したのに続き、同じ合同結婚式に参加することを記者会見で表明した。このとき、統一教会に入信していた姉の影響で19歳頃から入信していたことを自ら明らかにし、その合同結婚式で会社役員と結ばれた。

 なお、桜田の実父(故人)は桜田の姉が世界基督教統一神霊協会(統一教会)に入信した際、全国原理運動被害者父母の会の支部(現 全国統一協会被害者家族の会)「秋田父母の会 陽光会」に参加し会長を務めたこともあった

10.その他
■マインドコントロール
 桜田淳子らと共に合同結婚式に参加した翌年の1993年、山崎浩子が、統一教会(統一協会)からの脱会を表明する記者会見で「わたしはマインドコントロールされていました。」と語り、同日、アメリカの元信者であったスティーヴン・ハッサンの書いた『マインドコントロールの恐怖』(恒友出版)が発売されてベストセラーになったことから、日本でも「マインドコントロール」という言葉が広く知られることになった。

 従来の洗脳は具体的な物理的手段を用いた強制的なものだが、マインドコントロールは物理的手段を用いないので、本人が気づかないうちに取り込まれてしまうというカルトなどによる巧妙な手法を認識される概念として登場した。
 信者にマインドコントロールをほどこしているという批判に対し、教団側は、「マインドコントロール」という理論は、もともとアメリカで宗教運動から信者を強制的にやめさせるための理論として出現したものであり、非科学的理論であり、反宗教的なイデオロギーに基づいた空論だと反論している。

 なお統一教会は、統一教会の教え以外の書籍や情報は見てはいけないという指導は従来から行っておらず、情報のあふれた現代社会において、自由に反対派の情報や他の宗教、その他あらゆる情報を見聞きすることができるのだから、そのような環境の中でマインド・コントロールという考え方を持ち出すことがおかしいと教団は主張している。

■教団をめぐる裁判
 統一教会(統一協会)に対して起こされた裁判は2006年6月現在、1986年の初の提訴以来、100件を越えており、このうち83件で和解。11件で統一教会(統一協会)側の責任を認める判決が最高裁で確定している。

■献金勧誘行為の違法性
 (1993年(平成6年)5月27日、福岡地方裁判所での判例)
 1993年(平成6年)5月27日、福岡地方裁判所で、統一教会(統一協会)の「霊感商法」に対する損害賠償請求訴訟で、全国で初めて統一教会(統一協会)の関与と賠償責任を認め、3670万円の支払いを命じる判決が出た。信者らは2人の未亡人に対し、亡くなった夫に関して、先祖の因縁話で、不安を煽り、執拗に迫って高額の献金をさせたり、弥勒像等を購入させた。

 福岡地裁は「献金勧誘行為は、布教活動の一環として行われたものであったとしても、その目的、方法、結果において到底社会的に相当な行為であるということはできず、違法であり、民法709条の不法行為に該当する」、「信者らと教団は実質的な指揮監督関係にあり、信者が献金勧誘行為が教団の教義である万物復帰の実践として理解していたことや献金がいずれも教団に帰属していることなどからみて、原告らに対して不法行為責任を負う」と判断し、教団に使用者責任を認め、献金相当額と慰謝料の支払いを命じた。

■洪蘭淑(ホン・ナンスク)
 教団の熱心な幹部信者である親によって、幼い頃から教団の教えで育てられた。父の洪性杓は文鮮明の指示で、「一和」を設立した。兄の洪珍輝も文鮮明の長女、誉進(イエジン)と結婚した。洪蘭淑も文鮮明の長男、文孝進と結婚するも、夫の暴力、薬物やアルコールの濫用、女性問題などの様々な不品行に耐えかね、5人の子供を連れて文家から逃げ出し、離婚した。1998年に文家の偽善を告発する手記『わが父文鮮明の正体』をアメリカと日本で出版。テレビや新聞などのインタビューにも出て、文鮮明一族の実態を語った。両親も兄も離教している。

■朴悛哲(パク・チュンチョル)
 31年間の教会員生活のうち、28年間を教団の牧師として活動。教会の発展に貢献したとして20数回表彰されたという。2001年1月9日、教団を脱会し、『奪われた30年 文鮮明統一集団の正体を暴露する』という本を執筆し、文鮮明を告発した。3年間に渡り、韓国の日刊紙、キリスト教の新聞60余の言論機関で、教団の実態を告発した。文鮮明をセックス教主だと自著で批判したことで、教団から名誉毀損で民事で訴えられたが、勝訴・刑事訴訟は係争中。
 
■飯干晃一(作家)
 娘の飯星景子を説得して、離教させた。マスコミや批判書を通じ、統一教会(統一協会)に対する反対活動を積極的に行う。反対集会に参加しては参加者を励ましたり、渋谷の教団本部に出かけて行っては、現役の信者に一人ひとりに「君は間違っているぞ」と説得を繰り返したという。
 
【関連企業】
ハッピーワールド(旧「世界のしあわせ」、「幸世商事」。壺・多宝塔・高麗人参などの卸元の輸入業者)
マスメディア関係
o 世界日報(日本)
o 世界日報(セゲイルボ、韓国)
o ワシントン・タイムズ(米国の日刊紙・ワシントンポストとは無関係)
o ニューヨーク・シティ・トリビューン(米国の日刊紙・1991年廃刊)
o UPI(米国の通信社。2000年5月、統一協会系企業が買収)
o AmericanLife TV Networ(ケーブルテレビ)
o U-ONEテレビジョン(統一教会(統一協会)の運動を紹介する衛星放送)
o PEACE-TV (韓国語)
o ティエムポス・テル・ムンド(日刊新聞)
o ノティシアス・デル・ムンド (ヒスパニック系の人々向けの新聞)
o ウルティマ・ノティシアス (ウルグアイの新聞)
o ミドル・イースト・タイムズ(中東地域の新聞)
o 平一企画(教団の教材のDVD等を制作)
出版社
o 株式会社光言社(代表者 小林浩)
o 光言社マルチメデディアサービス(KMS)
o 成和出版社  
o 宗教新聞社(社主 前田外治)
o 世界思想出版社(学術出版社「世界思想社」とは全く無関係)
薬品・健康食品
o 一和 [2][1](韓国:高麗人参製品が主力商品)
o グローバルビューティー(玉置祥子社長)
食品関係
o True World Group (トゥルーワールドグループ)アメリカの水産会社、マグロ漁・魚やロブスターの養殖などを行っている。 ハッピーワールド元社長の古田元男が代表取締役社長)
・トゥルーワールドフーズ(米国における鮮魚流通の大手)
・トゥルーワールドレストラン(米国において日本食レストランを経営)
・赤い花(イリノイ、オハイオ)、園花(コネティカット)、桜花(ニュージャージー、ボストン)、白い花(シカゴ)など
・トゥルーワールドマーケット(米国においてアジア食材の小売店を経営)
・天助マーケット(日本食スーパーマーケット)
・トゥルーワールドマリン(フィッシングボート製造・販売)
o 株式会社ワールドシーフーズ(冷凍海産物の輸入・卸売)所在地はハッピーワールドと同じ神宮前ハッピービル。
医療
o 清心国際病院
o 医療法人日心会(病院)
o 一心病院  創設者上崎道子が統一教会の信者である。院長の渡辺泰博も同様に統一教会の祝福を受けた信者であり、常勤医師にも信者が多い。ただ医師や職員は一般募集を行っているため職員全員が信者ということではない。病院エントランス部の待合室、及び2階のナースセンター前には統一教会創始者である文鮮明の揮毫が掲げられている。
自動車
o セイロ・モータース
o 平和自動車(北朝鮮の国産自動車第一号「フィパラム」等を製造)
その他
o 一信石材(霊感商法の壺や多宝塔などを製造して来た。)
o セイロジャパン(CAD/CAM/CAEシステム/3次元流動解析ソフトウエア)
o 世一トラベル(以前は「世一観光」。「ハッピーワールド」の旅行事業部に吸収された。教団関連のツアーも扱う)
o 世一旅行社(韓国にある旅行代理店。教団関連の航空券、ツアーも取り扱う)
o 一成建設
o 一成総合建設
o 一成レジャー産業(株)
o (株)一興
o (株)精進化学
o 統一航空(株)
o 龍平リゾート
o 美術世界
o 株式会社男女美(化粧品卸売業。代表者 宇塚正敏)
o 京都プリンスホテル(下鴨神社近くにあった。1987年買収、2000年12月閉鎖。西武鉄道グループのプリンスホテルとは無関係)
o 株式会社アラスカ(青森市。結婚式場・ホテル経営)
o 一関自動車学校
o パインリーズ・リゾート
o 金浦航空団地
o JWマリオットホテルソウル
o 新世 (印鑑販売・東京都)
o 共栄 (大阪市淀川区)
o エム・ワン (印鑑・健康食品販売・和歌山市)
o サンハート・健美 (印鑑販売・大分市)

宗教関連
o 全国拉致監禁・強制改宗被害者の会(統一教会員に対する強制改宗を目的とした拉致監禁を撲滅するための団体)
o 世界平和超宗教超国家連合[2][1] (IIFWP 国連NGO、国連経済社会理事会の特別協議資格を持つ)
o 世界聖職者指導者会議(ACLC)
o 国際宗教自由連合(ICRF)
o 超教派基督教協議会
o 国際宗教財団
o 韓国宗教協議会
o 世界宗教議会
o 北韓平壌教会
o 世界平和連合
o 世界平和宗教連合
政治関連
o 国際勝共連合(IFVOC)
o 世界反共連盟(WACL)
o アジア太平洋反共連盟(APACL)
o アメリカ社会統一協会連合(CAUSA)勝共連合の友好団体で、共産主義運動を克服するとともに価値観の検討と道徳的復興の促進を目的に米国で設立された民間教育団体。文鮮明によって提唱された
o 平和統一連合(FPU)韓半島の平和統一と日韓友好を目指す。
o 平和統一家庭党(略称:家庭党。旧「天宙平和統一家庭党」)政党。2008年4月の韓国総選挙に候補を多数出すも全員落選し惨敗。
o 日韓トンネル研究会 (2004年2月、NPO法人認可、2006年6月会長に野沢太三元法務大臣就任)
o 国際ハイウェイプロジェクト
言論関係
o 世界言論人会議(WMC)
o 世界言論人協会(WMA)
o ワシントン・タイムズ財団(WTF)
教育・学問関係
o 世界平和教授アカデミー
o 科学の統一に関する国際会議(ICUS)
o 科学の統一に関する国際会議(ICUS)
o 学校法人鮮文学院
・鮮文大学校(韓国、4年制大学)
・景福初等学校(韓国、既存の学校を引き継いだ)
・善正女子中学校(韓国、既存の学校を引き継いだ))
・仙和芸術中学校(韓国) 崔元福(チェ・ウォンボク)が校長、朴普煕(パク・ポーヒー)の弟、朴魯煕が理事長を務めた。
・仙和芸術高等学校(前「リトルエンジェルス芸術学院」(韓国、1965年文鮮明が創設)
・善正高等学校(韓国)
o 学校法人清心学院
・清心国際中・高等学校(韓国)
o 清心神学大学院
o ブリッジポート大学(米コネチカット、既存の学校を引き継いだ)
o 統一神学校(米ニューヨーク、大学院修士課程)
o 統一思想研究院
o 光の子園(世田谷区・教団子弟のための保育施設)
o 国際文化財団(ICF)
o 韓国文化財団 
o 国際教育財団 (IEF)
o 世界平和海洋訓練教育協会 
日韓関係
o 東西南北統一運動国民連合(NCU−NEWS)
ボランティア関係
o 統一教会平和奉仕ボランティア隊(統一教会員有志によるボランティア)
o 世界平和女性連合 [2][1](WFWP 国連NGO)
o 世界平和連合
o 天宙平和連合(UPF)平和軍と平和警察を創設し、世界平和を守る番人の役割を果たすという。
o 一般社団法人ピース・イニシアティブ支援センター
o 非政府組織世界協会(WANGO 国連NGO)
o 世界平和大陸・半島・島嶼国家連合
o 国際救護親善財団
o 国際平和財団
o 国際医療奉仕団
o 社団法人ボランティア愛苑
o 世界平和青年学生奉仕団(POP)
o 世界平和青年連合
o GPF(グローバルピースフェスティバル)
o フリーティーンズ・ジャパン(青少年の性的な問題解決の教育プログラムを推進)
文化・芸術関係
o 世界文化体育大典(WCSF)
o リトルエンジェルス芸術団
o ニューヨーク・シティ・シンフォニーオーケストラ(既存のオーケストラを引き継いだ)
o 国際新希望合唱団
o 天父報恩鼓(2000年に『天地報恩太鼓』より改称)
o Mr・Missユニバーシティ・コンテスト
スポーツ関係
o 世界平和武道連合
o 鮮文平和サッカー財団(ピースカップコリアを開催)
o 超宗教平和スポーツフェスティバル(Interreligious Peace Sports Festival、IPSF)
o 圓和道(エンワドー)
o 正道術
その他
o 真の家庭運動推進協議会(APTF)
o 日本純潔同盟(PLAJ)
o 蒙古斑同族世界平和連合(MPFWP)
o 国際家庭(International Family- Japan)教団内で国際結婚した家庭の問題をサポートするための情報と交流の場を提供する。
o 韓日人教会
o 世田谷郷土大学
o 名古屋郷土大学 


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