マツダ787B、20年ぶりにルマン走行





■マツダ787B、20年ぶりにルマン走行
 マツダは、2011年のルマン24時間レースにおいて、1991年の優勝車カーナンバー55の『787B』で、二度のデモンストレーション走行を行った。

 ルマン本戦開始に先立って、1991年に優勝のチェッカーフラグを受けたジョニー・ハーバート氏が、当時の優勝以降初めて「787B」の運転席に座り、本コースを2周走行。
 また、ルマン市内で行われた「ドライバーズパレード」では先頭を飾り、いずれのイベントでも、4ローターロータリーエンジン独特の甲高いエンジン音が鳴り響く中、ルマン優勝車は大きな声援を受けた。

 マツダの金井副社長は「こんなにも多くのモータースポーツファンが20年前のマツダのルマン優勝を、情熱をもって覚えてくださっていたことを、素晴らしく思います。ルマン優勝はマツダのエンジニアとそのチームによる、たゆまぬ努力と情熱のたまものです。その精神が今日まで続き、次世代のマツダ車に搭載されていく革新的なSKYACTIV技術の開発へとつながっています」とコメントしている。

(WEB:レスポンス 2011-6-16)

  

■マツダ787Bのルマン優勝20周年記念デモンストレーション走行
 曇りがちではあるものの、雲の間から時折青空が路面を照りつける天候となった6月11日、ルマン24時間決勝レースを前に、マツダ787Bのルマン優勝20周年記念デモンストレーション走行が行われました。ステアリングを握ったのは、1991年優勝ドライバーのひとりであるジョニー・ハーバートさんでした。

 フランス国内だけでなく、モータースポーツファンの多い英國やドイツからも多くの観客がこのサルトサーキットに集まってきました。この日のレーススタート時にサーキット周辺に居るファンの数は、20万人を超すと言われています。人口10万人の小都市ルマンが約3倍にふくれ上がるのです。12時30分過ぎにマシンは、パドックからコースに押し入れられ、最終コーナー手前で待機するようにオフィシャルから指示されていました。

 ここでジョニーは、20年ぶりに787Bのシートに体を沈め、ペダル類やシフトレバー、スイッチ類などを確かめます。20年を経ても何も迷うことはありませんでした。「だってマイカーだからね」とハーバート。そして、デモランの時間が告げられるとエンジンをスタートし、颯爽とストレートへと向かって行きました。R26B型4ローターエンジンは、当時と同じ8,500rpmシフトのレースモード。デモランは2周の予定でしたが、1周余計に走っても時間的に余裕があるほどのハイペースでした。

 マツダ787Bがグランドスタンド前を通過する時、恐らく初めて4ローターサウンドを聞いたと思われる人までもが大歓声で迎えます。
 ピットレーンに戻り、コントロールタワー下でマシンを止めたハーバートは、クルマから降りるなりヘルメットも外さずにリアカウルの上に倒れ込みました。ご存知の方も多いと思いますが、これは20年前の再現なのです。その後、アナウンサーのリードでジョニーはポディウムへ導かれて行きました。

 ポディウムに上がれなかったルマン優勝ドライバーとして知られているハーバートに20年ぶりのポディウムをプレゼントする、という粋な演出だったのです。なんという感動的なシーンでしょう。当時担当していたスタッフ達は、一様に目頭を熱くしました。
 ありがとう、ACO。ありがとう、ユーロスポーツ。私たちが見た1991年ルマンは、今やっと完結したのです。

(WEB:MZレーシング)



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